野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ガムラン

ガムラングループ「マルガサリ」とは、「せみ」(2000)、「ペペロペロ」(2003)、「桃太郎」(2001~2005)という3つの作品を作り、2008年には、「桃太郎」インドネシア公演も行ったのですが、2009年以降は、すっかりご無沙汰しております。

その後、このグループは色々な試行錯誤を続けて、ある種、解体されて、存続自体が危うい状態までいって、そこから新たなグループのあり方を模索している、そんな段階のようです。

今日は、マルガサリの新代表でもある西真奈美さんと妻と3人で、一日ゆったり過ごしました。単に西さんと休日を過ごすことが目的だったので、御所で松の木と対話したり、のんびり素敵な時間を過ごしました。

日本人はジャワ人にはなれないので、いくらジャワの古典音楽を学習してもジャワ人のような素敵な演奏はできないかもしれませんが、日本人の感性や環境を活かした日本独自のガムランは自然体でできるはずです。それは、意気込んで無理してやるものではなく、自分達の身近なところから、小さな一歩を積み重ねることで育まれるものです。

そして、なぜか、ぼくとガムランの縁は、切れないのです。11月18日の千住での「こどもだじゃれ音楽ワークショップ」の会場に、偶然ガムランがあるらしく、「ガムラン×だじゃれ」のワークショップになってしまいそうなのです。これは、不思議な縁ですね。

日本のガムラン音楽を育んでいく作業は、収束してしまったわけではなさそうで、また展開していく予感がありました。無理をせずに、一歩ずつ、そうした芽を大切に育てていくこと。それが、ジャワ人や先達への恩返しだと思いました。