野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

作曲賞の審査はつづく

譜面審査を続けています。はっきり言って、10分の曲の譜面を見るのに、10分では全然足りません。10分の曲の譜面を見るのに、50分かけても、まぁ、曲のことについて、ちょっと分かるくらいです。正直な話、作曲家一人一人の話を聞きたいし、アイディアメモやスケッチも見せて欲しいくらいです。

不思議なことに、ぱっと見た時の印象で、面白そうと思った曲が、もっと掘り下げて見ると、でも、そうでもないかな、となったり、さらに見ていくと、いやいや、面白いかな、とか、印象がコロコロ変わります。ぱっと見た時に、コンセプトが見えてしまい、こんな程度かな、と思った曲も、丁寧に譜面を見ていくと、いやいや面白いのかもしれない、と考えが変わってきたりします。

8月8日に東京で、三輪眞弘さんと中川俊郎さんと審査会をするのが、非常に楽しみです。どの作品を選ぶかは、日本の現代音楽の未来について、我々がどう考えているかを表現することだと思うのです。3人が作品を発表することも一つの表現ですが、3人で作品を選ぶことも、表現です。いやぁ、問われます。