野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

挑戦する作曲賞

帰国後、少しずつ日本での生活に復帰のリハビリ中です。

1日に確定申告に行こうと予定していましたが、結局、1日の晩に源泉徴収票の整理と領収証の分類分け。だったら、2日に行こうと思いましたが、2日は、電卓で足し算。結局、税務署に行ったのは3日でした。あと、健康保険料の未払い分の支払いとか、6ヶ月分の郵便物の開封などをやったり、保険料も払い過ぎだったので、明日あたり返還の手続きをしたり、あと、国民年金の免除申請などの手続きに区役所に行ったりする予定でいます。生活面では、浄水器の取り替え、庭の草ひき、お米や食材の購入などをして、ようやく生活できる感じになってきました。

と、まぁ、こんな感じに書いておいて、色々な打ち合わせの催促メールなどがラッシュのように来る生活を避けられるように、少し牽制しておいて、っと。ま、でも、のんびりやってます。今日は、和菓子屋さんの自家製ひやしあめを食べて美味しかったし、佐久間新さんが遊びに来てくれて、まったりとお喋りをしたりしましたし。

で、こんな合間にも、連日、JFC作曲賞の応募作品の譜面を、読んでいます。作曲賞の入選作品を決めるということは、審査員の音楽哲学や音楽美学を表現することにもなっちゃいそうです。11月11日にトッパンホールで行われる本選に残す演目は、うまくいかないところも露出して良いので、それぞれの作曲家の挑戦がきちんと提示できる演奏会にしたい、と思うのです。作曲の技術を問うのが作曲賞なのか、作曲の完成度を問うのが作曲賞なのか、それとも作曲の挑戦を問うのが作曲賞なのか?応募譜面を見ながら考えたことは、作曲賞の審査では、作曲家の挑戦する精神を最大限評価したい、ということです。そうでなければ、来年以降の作曲賞応募作品は、当たり障りのない作品ばかりで応募者が入賞を目指す。そんな作曲賞は必要なのか?部分的に失敗してしまっても良いので、果敢にチャレンジすることを、推奨していかなければ、日本の現代音楽に未来などあるはずありません。だったら、何を選考すべきか、それは、明確です。もっともっと、ハチャメチャで壊れていても良いし、上演不可能かもしれない作品でも良いのです。そうした作品が応募できる作曲賞が存在できるかどうか、そんなことを考えながら、譜面を読んでおります。

http://www.jfc.gr.jp/contents/award/award.html