野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

日本の生活に、少しずつ慣れようとしています。

インドネシアではエアコンのない生活でしたし、汗をかいたら、水を浴びると体温も下がるので、冷房は使っていません。

外国にいたため、放射能などに関する報道などが不足しており、ネット環境も不十分で、日本のテレビ/新聞/雑誌も一切見ていませんので、情報が不十分です。雨に濡れるのは、どの程度の危険なのか?洗濯物を外で干して家に取り込む時に放射能を室内に取り込むのを避ける方法はどうするのか?危険な食品と危険でない食品は、どう見分けるのか?危険を避けるための調理の方法、などなど。そういうことを、きっと日本の皆さんは、この数ヶ月、散々やってきたのでしょうが、こちら、完全に浦島太郎状態で、情報が不足しています。これから、教わっていかなくっちゃです。

下鴨神社にお参りに行き、インドネシアの報告とお礼をしてきました。また、図書館に行ったり、本屋に行って、日本語の本を満喫しました。また、通りがかったお店が、たまたまアイリッシュ音楽のセッションナイトだったので、薬草茶と音楽を楽しみました。

JFC作曲賞の応募作品の譜面が、段ボール箱でドカーンと届きました。色々な作品があります。過去の審査員では本選に残り得なかったような作品を入選させててしまうのも、ぼくの役割でしょうし、他にも2名の審査員がいるわけですから、かなり大胆に自分ならではの基準で選考をしようと決意しました。うまくいけば、11月の本選演奏会は、非常に面白いコンサートにできるはずです。ぼくは、それほど譜面を読む能力に長けているわけでもないので、今週は、毎日、譜面を何度も眺めながら、過ごそうと思っています。曲の意図や良さを探したり、ぱっと見た目の譜面の見栄えにごまかされずに、曲が本当に面白いのか、良い曲なのかを見極めようと思っています。審査するのは、随分勉強になりますね。


今日の良かったこと

スーパーの自転車置き場を整頓している警備員のおじさんが、自転車を倒してしまって、10台くらいドミノ倒しになったのです。ぼくは、ちょっと離れたところにいたのですが、すぐに手伝いにいって、一緒に倒れた自転車立てました。すると、また、別の青年もさっとやって来て、自転車を立ててくれました。3人で黙々と自転車を戻しました。おじさんが「ごめんな。ありがとう」と言いました。青年は、無口な感じで恥ずかしそうに会釈して帰って行きました。こんな青年が住んでいる町で良かった、と思いながら、ぼくも少し照れ臭そうにおじさんに会釈して家に帰りました。