野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

天竺徳兵衛韓噺

野村誠×北斎」で、何度も登場した1804年に初演された歌舞伎。木琴が最初に登場するものなのですが、鵜飼伴子さんという人の論文天竺徳兵衛韓噺」における趣向の考察〜木琴を打つ座頭をめぐって
を読んでみました(以下のURLでダウンロードできます)。
http://mitizane.ll.chiba-u.jp/meta-bin/mt-pdetail.cgi?cd=00052018

そもそも、これ以前に、三味線を背負って登場する歌舞伎はあったらしいので、それのアレンジで木琴を背負うというアイディアが出た、ということらしい。

この論文を読んで、新たにぼくが推測したことは2つ。

1)木琴を背中に背負って登場するから、インドネシアのガンバンサイズだと大きすぎて、背負えない。だから、小型かしたのではないか?
2)背中に背負うと鍵盤がはずれやすい。だから、横棒が取りつけられたのではないか。

それから、別に興味を持ったのが、「天竺徳兵衛聞書往来」(1757初演)で登場する天竺の流行歌という

こんちよれいいちよわくにぢよちよりちよかちやみよぱちや有はむちよめのこわちうさんちやむ雨けちよんびさちやちよけばかりきちよんじつさんちやんせうつちやかまへりましよとけつんけつんとけとけつん こんな縁が日本にもあろか と歌ひ申候

これまた面白いです。