エイブルアート・オンステージ公開プレゼンテーション。ぼくは実行委員の一人として、各団体のプレゼンに、質疑応答のコーナーでいろいろ突っ込む役割。質問することで、見に来ている観客の人にメッセージを送っている意識が強かった。ちょっと危険だと思ったのは、どうも「即興がいい」とか、「障害者から引き出す・押し付けない」ことが、暗黙のうちによい、とされてしまいそうな空気があったこと。とにかく、それぞれの作品の独自性(ユニークさ)が強固なものになるにはどうしたらいいか、を掘り下げていくこと。ルールを設定することで、自由になるケースもあれば、不自由になるケースもある。台本を設定することで、表現しやすくなるケースもあるし、表現が死んでしまうケースもある。即興を取り入れることで、持ち味が出ることもあれば、持ち味が隠れてしまうこともある。
そのためのルールの設定の仕方や枠組みの組み方を突き詰めていけば、いろいろ見えてきて、そこから新しいアートフォームが生まれてくると思う。
例えば、「柔らかい台本」って、どんなものだろう?言葉から意味を取り除いたら、何が残る?「ロミオとジュリエット」をやりたがった人は、「ロミオ」のどこに一番惹かれたのか?その面白さをもっともっと純化し強化した時に、何が生まれるのだろう?
どの作品も、本番の少し前にぼくが行って、「ココがすごい面白いから、もっとやった方がいいよ」と背中を押したら、もっと良くなったかも、と打ち上げの席でも話が出た。確かにそう思う。ただ、ぼくには、そんなに時間がないので、もっと他のアーティストで、ぼくの代わりができる人、または、ぼくなんかよりもっと柔軟にできる人がドンドン出てきて欲しいな。そうなると、助かる。