野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

双葉山ピアノ奏法

京都は、とんでもない底冷えです。寒い中、昨日の相撲セミナーの余韻で、腰割りをしてピアノを弾いてみました。ピアノという楽器は、ペダルを踏むことがあるので、足は前に出すのが通常ですが、開脚して椅子に座ってみると、ピアノの感じ方が変わります。そう思ってピアノに向き合うと、こちらは体重55kgで、あちらは200kg以上の巨漢であることに気付きます。ピアノを弾く腕を、てっぽうの動きのように、相手を跳ね上げるように弾いてみるだけでも、全然感じ方が違ってきます。相撲のように脇を閉めてみたり、双葉山をイメージして、相手に体重をできる限り預けてみたり、様々な奏法でピアノを弾いてみました。ああ、それだけで全然ピアノが違って感じられます。久しぶりに、キーボード・コレオグラフィーを考えた瞬間でした。ぼくは、相撲に基礎を置いたピアノ奏法を確立することができそうだ、と思えてきました。ピアノは、大柄な西洋人を前提に作られている楽器かもしれず、小柄な日本人には少し手強い大きな楽器というイメージもあり、中田喜直さんなどは、鍵盤の小さい日本人の身体にあった小型ピアノを考案していたりします。小柄な日本人がピアノで力を発揮するのに、西洋人と同じ身体の使い方をする必要は当然ないわけで、双葉山に着想を得たピアノ奏法を、少し深めていきたい、と思いました。

夜は、京都ガムランの日。子どもガムランでは、初参加の人もいました。「ダーンダカダカダン」と「うまたくん」の2曲、新曲ができました。大人ガムランは、即興です。最近は、ガムランと瓦楽器の演奏を上達したい、と本気で思っております。特に左手の動きが課題なので、左手を上手に使えるように、意識して練習しております。相撲のエアーテッポウも役立ちます。

ということで、今後4年間の目標を書いてみたくなりました。ひとまず、最初に浮かんだのは、以下の3つでした。

1)大相撲の文化を学び、日本各地の相撲神事もリサーチし、文献から相撲の歴史を掘り下げ、自分なりの相撲聞芸術を確立する。
2)「瓦の音楽」の研究/実践を深めて、瓦ならではの独自の音楽様式を生み出す。
3)「だじゃれ音楽」を続け、笑いと喜びとユーモアがいっぱいな音楽を追求する。