野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

体を鍛える

サッキョクカのところに若者がやってきました。

若者:先生、弟子にして下さい。作曲を教えて欲しいです。
サッキョクカ:いいですよ。
若者:では、まず何から勉強すればいいでしょうか。
サッキョクカ:まず、一緒に走りましょう。
若者:ちょっと待って下さい、先生。あの、ぼくは音楽を学びに来たのですが、、、、。
サッキョクカ:音楽と言えば、走るでしょう。作曲家に大切なのは体力です。まず、身体を鍛えて体力をつけないと、良い仕事はできませんよ。徹夜で曲を書いていて、ヘロヘロになった時に、閃きが来るだけの基礎体力を、あなたは持っていますか?
若者:?????
サッキョクカ:それに、走るというのは、リズムを学ぶこと、呼吸を学ぶこと、テンポを学ぶこと、運動を学ぶこと。音楽の根本は、全部、ここに入っていますよ。
若者:は、はぁ。
サッキョクカ:例えば、近藤浩平という作曲家は、平日はフルタイムでサラリーマンをしているのに、次々に意欲的な新作を発表しています。彼は、学生時代は陸上部でした。今も趣味で次々に山登りをしています。もし、彼が陸上をやっていなかったら、彼はサラリーマンをしながら、作曲をし続けることができたでしょうか?走ることが大切なのです。
若者:先生、分かりました。走らせてください!

そう言って、若者は体を鍛えて立派な作曲家になりましたとさ。


今日、ダンサー/振付家の砂連尾理さんと会いました。そして、こんなお話をしました。砂連尾さんは、体をどうやって鍛えました?と聞いたところ、高校時代は登山部で、南アルプスを全部制覇したとのことでした。劇作家/演出家の平田オリザさんも小柄ですが、高校時代に自転車で世界一周旅行していますし、体力あるんでしょうね。ということで、今年の抱負の一つは、体を鍛える。今度、砂連尾さんと山に登り、山頂で、音楽とダンスのセッションをしよう、と語り合いました。ちなみに、砂連尾さんにダンスで弟子入りしたら、走ろうと言われるでしょうか?