野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

相撲甚句《大蔵永季》/加藤綾子さん

阪神淡路大震災から28年。

 

1月29日の公演『どんどん日田どん!』のパンフレットのテキスト執筆をして、『どんどん日田どん!』の台本の修正をする。最後のシーンで、日田祇園囃子西洋音楽と四股が合体したところに、日田の木も合体したいなぁ、と想像し、一ノ矢さんの美しい四股が音楽と共にある姿を想像するだけで泣けてくる。一ノ矢さんから送られてきた相撲甚句《大蔵永季》の歌詞も素晴らしい。

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夜は、ヴァイオリニストの加藤綾子さんとスタジオにて即興で音を出してみた。加藤さんは『インプロ・りぶる』というサイトを運営していて、こうした即興のプラットフォームを演奏家が作っていて、興味を持って連絡をして、寄稿もさせていただいた。今日一緒に音を出してみて、この人は「ヴァイオリニストが即興もやります」とかではなく、真にインプロヴァイザーであり、しかも、その演奏が何かの借り物の枠組みでの演奏ではなく、自分の声として演奏している人だった。凡庸な表現にならず、しかし、頭でっかちにもならず、ここまで説得力があるヴァイオリンの力強い即興は、なかなか体験できるものではない。非凡な才能を体感できる貴重な体験だった。加藤さんとライブしたい。

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