野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

木琴の鍵盤/河童踊り

パトリア日田で、高村木材さんが作ってくれたオリジナル木琴をチェックする作業。とりあえず、用意してもらった鍵盤をバラバラにして、音のチェックをして、並び替える作業。鍵盤の長さを計測し、ピッチもチェックする。理論的には、長さが√2倍になると、1オクターブ低くなり、√3/√2倍で5度低くなるので、1.414倍の長さでオクターブ、1.22倍で5度低くなり、1.15倍で4度低くなる。これで、木琴の大に必要な鍵盤の長さの概算をして、高村さんにお願いしようと思う。こうしていくと、いつの間にか、ペンタトニックになる。

 

午後は、及川康江さん、川端都古さんと、河童踊りの調査で伊藤恵之介さんを取材。終戦直後の小学校時代に河童踊りを踊っていた伊藤さんは、河童踊りの指導もされているし、郷土史を調べてまとめたりされていて、日田市の西有田という地域のことはなんでも知っているような方だった。西有田の石碑は全て調べていたりする。河童踊りの貴重なDVDもお借りすることができた。

www.hita-onsen.com

 

河童踊りの音楽は、笛、太鼓、鉦、以外に、ささらを使うのが特徴。日田どん(大蔵永季)の先祖、大蔵氏は、鉄の技術を持って朝鮮半島からの渡来人で、宇佐にいた。宇佐も鉄で有名だった。鉄の技術を持っていて、鉄を作れることは、武器を作れることであった。鉄の力で日下部氏を追い出し、日田を収めるようになった。民話の日田どんは、出雲の小冠者という鉄でできた人と対戦するのだが、そもそも大蔵氏の象徴が鉄なので、「鉄VS鉄」となっている。ちなみに、河童踊りは、土俵の中で踊られる。「どんどん日田どん!」の中にも、河童踊りの要素を入れようと思う。

 

河童踊りが行われる大行事神社にも行ってみた。その後、パトリアに戻り川端さんと打ち合わせ、色々な見通しが立ち、自宅に戻ると、『ガチャ・コン音楽祭Vol.2 あかねさす ゴングとバカの ひらく音』の映像が届いていて、山城大督の素晴らしい編集に感動する。