野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

海上の太陽、作者の名前は宇野千里さんです

宇城市不知火美術館・図書館の美術館学芸員の里村真理さんの企画で、町中でのワークショップ「とびだす美術館」に関わっていて、さらに、そのワークショップを12月15日から始まるコレクション展『表現は日常にこだまする』とリンクさせるという一石二鳥企画に取り組んでいる。

 

(1)子どもたちに、美術館のコレクションから好きな作品を選んでもらい、その作品を美術館で展示する

(2)選んだ作品を題材に、音楽をつくる

(3)その音楽を録音し、野村がアレンジし、音源をつくる

(4)その音源を展示室で流す

(5)ワークショップのプロセスを動画で記録し、展示室で流す

 

といった感じ。本日は、その第1弾で、宇城市小川町の延福寺での寺子屋の活動とリンク。1〜4年生の子どもを中心に40人くらいが集まる。住職の能令さんご夫妻が毎週水曜日にお寺を開放して、子どもたちが宿題をしたり、遊んだり、子ども食堂があったりする。美術館からは、里村さん以外に、スタッフのワキタさんも来る。映像撮影の山村さんも来る。

 

鍵盤ハーモニカ・イントロダクションで導入したら、笑い転げるほど、笑ってくれる。子どもたち、反応がとても良い。その後、8作家の8作品をスライドで見せて選んでもらうと、事前に予想しなかったような絵が選ばれていき、最終的に、宇野千里《海上の太陽》という絵が選ばれる。

 

www.museum-library-uki.jp

 

さて、この絵を見て歌を作ろうと、歌詞になる言葉を考えた。海があって、日没の光景を描いた絵で、歌詞にするにも情報量少ないし、何が見えるだろう、と思うのだが、「明日への扉」と言った子がいて、夕日が沈むということは、次に日がのぼるのは明日なわけで、日没の向こうには「明日」があるのか、と思った。

 

夕焼けこやけ また明日

太陽 ぴっかぴか

海にうつった太陽

紫の雲 また明日

うめぼし ぴっかぴか

水にもぐる太陽

ぴっかぴか

 

という歌詞の歌ができる。子どもたちは、すごいスピードで歌を覚えて、元気いっぱいな声で歌って、レコーディング完了。せっかくなので、

 

次の曲は、「海上の太陽」です。

作者の名前は宇野千里さんです。

 

も録音した。帰宅後、子どもの声に合わせて、ピアノを多重録音して、デモ音源を作ってみた。

 

夜、里村さんと砂連尾理さんとオンラインで話し込んで、いろいろ今後の人生のことなど考えた。里村さんも、ぼくも未開拓の領域に踏み込んでいくのが好き。