野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

Our Attitudes展/だじゃ研の貝殻セッション

熊本市現代美術館のOur Attitudes展を見に行く。アーティスト・イン・レジデンスを運営する美術家の宮本華子さんが企画に関わっていて、宮本さんの紹介で。10月30日までなので、今朝、見に行った。熊本市現代美術館の開館20周年を受けて、開館当時に10代だった現在30代の4人の作家によるグループ展。会場入り口で流れていた作家インタビューは、YouTubeでも公開されていて、インタビューを通して、それぞれの作家のことを知れるだけでなく、熊本市現代美術館でこれまでどんな展覧会があったのかに触れることもできる。

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天草出身の武田竜真さんの作品は、motomotoでも拝見したが、隠れキリシタンが海辺の崖の穴をマリアに見立てていたことを題材にした作品で、シンプルなアイディアが美しく設置されている。motomotoのトークで、武田さん自身が企画をされたり、ご自身で図録のデザイン編集をされていたりすることも伺った。「Our Attitudes」という展覧会で、そうした武田さんの様々な「態度」も多角的に紹介することができてもいいのでは、とも思った。

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園田昂史さんは、巨大な木炭画と様々な風景の中で反復横跳びをする映像による展示。巨大なドローイングと、パフォーマンス映像という全く違うアウトプットだった。このアーティストの他の作品も見てみたくなった。

 

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坂本夏子さんのペインティングは、小さめな作品がたくさん出ていた。大きな作品も見てみたくなった。

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松永健志さんの絵画作品は、廊下のつきあたり、会場の外の壁面に作品を展示してあった。こちらも、もっとたくさん見てみたい気がした。

 

4人の作家の作品を、もっと見たいと思ったが、先日のmotomotoのトークで、この展覧会の裏事情というか、渡航費や制作費を美術館側が負担してくれていない、という話を思い出す。ぼくのうろ覚えや勘違いのところもあると思うが、作家の負担が大きいとなると、展示のために熊本に戻ってくるのも作家の負担になる。新作をつくるのも作家の負担になる。となった時、これだけの展示があるだけでも十分なのだと思うし、事情を知らない観客としては、20周年企画なんだし、それぞれのアーティストの作品をもっと見たいとも思ってしまった。展覧会で見られない分、インターネット上でそれぞれの作家の活動を追いかけ、自分なりに不足分を補った。

 

東京に移動。東京藝術大学千住キャンパスにて、だじゃ研(=だじゃれ音楽研究会)の活動日。プロデューサーで教授の熊倉純子さんも来てくれて、久しぶりにゆっくりお話ができたのも心強かった(久しぶりと言えば、西川fishさんも久しぶりに顔見た)。本日は、リモートなしの対面の人だけでのリハーサル。貝殻がたくさん用意されていて、それをみんなで擦ったり、叩いたりして合奏。だじゃ研メンバーのインタビューが再開していて、カルメン・マヤさんのインタビューが公開になった。この活動は、参加している人が、本当に色々で、こんな多様な人が一緒に音楽しているというのがセールスポイントの一つなので、一人一人をアーカイブしていくと、それが浮き彫りになってくる。事務局の地道な仕事、素晴らしい。お時間ある時に、ぜひお読みください。

 

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で、実は明日は、隅田川道中というイベントに出演するので、そのリハーサルであり打ち合わせであったわけだが、隅田川道中のディレクターの清宮さんがマイペースすぎるので、こちらもそれに翻弄されずにマイペースを維持していこうと思う。切腹ピストルズは、音量が大きいと思うので、こちらは小さい音でゆるくセッションして迎え打てればと思っている。

 

douchu.tokyo