野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

春日市を調べ中/ベートーヴェンを弾いている

《春日の50の物語》の50曲のスケッチをした。ワークショップのビデオ/録音を確認して、ワークショップで出たアイディアを元に、ピアノ曲として書く作業。それぞれタイトルになった地名と音楽がどう結びついているのかは、ここまでは参加者任せだったが、今日は、それぞれの地名について、調べて特徴を書き出していく。例えば、《奴国の丘》は、奴国の丘歴史公園で、1〜3世紀ごろに、ここに奴国があったかもしれず、遺跡もいろいろある。《嫁ごの尻叩き》は住吉神社で行われる儀式だが、最近は希望者が少なく、なかなか行われない。

 

子宝願い、新妻の尻たたき 福岡県春日市で6年ぶり - YouTube

 

龍神池は、かつては今の10倍近くの面積があったが、埋め立てられて今のサイズになっている。池から龍が天に昇っていって、雷神を伴って戻ったという伝説がある。などなど、調べていくと面白く、これから曲をブラッシュアップする段階で、これらを反映させていく予定。

 

今日もベートーヴェンピアノソナタ32番を弾いた。ソナタって、1楽章が速い曲(ソナタ形式)、2楽章がゆっくり、3楽章に3拍子のダンスで、4楽章の速いフィナーレで終わる。これは野球に例えれば、1番バッターが出塁して、2番バッターがバントして、3番がタイムリーヒットで、4番がホームラン、みたいな感じで、各楽章に役割がある。で、ベートーヴェンの32番は、1番バッターが塁に出て、2番の送りバントが長大なバントに あって、3番、4番がなく終わってしまう。静かでゆっくりな曲は、クライマックスへの繋ぎではなく、実は終曲であった。起承転結の「承」だと思っていたら、「承」が延々続いて終わっちゃうという構成。面白いなぁ。