野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

Elliott SharpのIrRational Music/Andrew Normanのワークショップ/パープルリボン作曲賞

日田の滞在を終えて、熊本に戻る。電車の中で、Elliott Sharp著『IrRational Music』を読了。知らずに読んでたら、ぼくの名前が出てきて嬉しい(1996年に、エリオットの《Spring & Neap》の演奏で、ピアノを弾いて、これはCDにもなっている)。この本、めちゃくちゃ面白く、エリオット・シャープという独創的で多彩な音楽家の活動の全貌を知ることができて、刺激をいっぱい受けた。AI=人口知能=Artificial Intelligenceに対して、AS=人口阿呆=Artificial Stupidityという言葉を提示するエリオットは、やはり面白い。即興演奏、フィボナッチ数列フラクタルなどを応用した弦楽四重奏などの作曲、民族楽器とのコラボレーション、インスタレーション、図形楽譜やアルゴリズム作曲、映画やオペラの作曲などなど、面白い話がいっぱいで、全部興味深かったけど、子どものためのオペラ《About Us》がどんなのか、見てみたい。

 

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週末の台風に備えて、今のうちに洗濯。Elliott Sharpの《About Us》に関する情報をネット上で見つけることができなかったが、作曲家Andrew NormanがUtah Symphonyのコミュニティ音楽活動として、スクールオーケストラとワークショップしている動画に遭遇し、面白いので見てしまう。この作曲家、友達になりたい。

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パープルリボン作曲賞の応募作品の譜面の全てに目を通す。個性的な作品もあるし、工夫のある作品もある。そうした作品は作者の意図をつかみやすい。逆に、その作家の個性や特徴が見えにくい作品もあり、ぱっと見ると平凡な曲に見える。こうした譜面のどこかに隠れた特色や工夫が潜んでいる可能性はあるので、そうした譜面の方が神経を使う。日を改めて、何度か違った角度から検討してみたいと思う/