竹野で映画《霧の音》を上映した時にお会いしたアーティストの宮本華子さんは、熊本県荒尾市でアーティストインレジデンスのmotomotoを運営されている。motoは、Kuma-motoのモトであり、Miya-motoのモトでもある。熊本の宮本さんがやっているモトモトというスペース。里村さんが仕事が休みなので、運転してもらって行ったが、高速を使って1時間以上かけて行くので、熊本県は意外に広い。
ベルリン在住のアーティストの武田龍真さんの展覧会が今日からオープンで、本日はアーティストトークもあったの聞きに行った。武田さんの作品は、長崎の五島をリサーチし、波で侵食されて生まれた不思議な穴を隠れキリシタンがマリアとして崇拝していたことをモチーフに作られた作品。トークで武田さんの過去作品も見たが、インスタレーションを写真にとって平面にすると、3次元なのに2次元のようにも見える錯覚してしまいそうなビジュアルの作品が多かった。この3次元と2次元の間のような空間は、今、ここでしか味わえないのだろう。トークも面白かった(キュレーターの原田真紀さんとも、昨年の鹿児島以来お会いできた)。
ちなみに、motomotoだけじゃなくて、熊本市現代美術館でも武田さんを含めたグループ展が開催。宮本さんの宣言文はこちら。こっちの展覧会も行かなくっちゃ。20年の時を経て、宮本さんたちアーティストから美術館への問いかけ。
桃栗三年柿八年
宮本華子 1987年生まれ、作家、本展発案者
私が15歳の頃、熊本市現代美術館が開館しました。
熊本県民にとって、大きな出来事でした。
少なくとも自分にとっては、学生時代にこの館で鑑賞した現代美術の展覧会が、
作家としての土壌となっています。
本展に参加している作家たちは、20年前の開館当時には学生であり一鑑賞者でした。
「桃栗三年柿八年」という言葉がありますが、
美術館は、美術作家は、どの程度で実りを迎えるのでしょうか。
また、実りを迎えるために、活動を続けるために、美術館、作家、
それらが存在する地域、社会、環境にはどんな姿勢が、必要なのでしょうか。
これを開館20周年の節目に問いかけてみたいと思い、今回の企画を美術館へ提案しました。
帰宅後、リアルタイムで見逃した柳沢英輔さんと大友良英さんの対談の配信を聴く。なんと4時間を超える長いイベントで、途中でトイレ休憩を何度も挟み、最後には、即興セッションまであった。柳沢さんの魅力を味わい、大友さんの数々のエピソードも聞ける触発されるトークだった。紹介される音源が、どれも面白すぎる。「良い音」、「良い音楽」、「音楽」、「作品」、「意図」、「表現」、、、、などといったことを問い直し、考え直す場でもあった。