野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

社会主義リアリズム/ようやく30曲/ガチャ・コンのフライヤー

ミシェル・オクチュリエ著(矢野卓訳)『社会主義リアリズム』(白水社)読了。面白かった。ロシア革命とロシア・アバンギャルドから始まった芸術運動が起点であるのに、ソ連の芸術は、「わかりやすさ」を求められ、つまらなくなっていく。ロシア未来派の代表的な詩人/アーティストのマヤコフスキーが、1930年に36歳で自殺に追い込まれている。ロシア革命を起こしたアバンギャルドの理論や考え方の中に、「わかりやすさ」、「公共性」を求める社会主義リアリズムの種があり、「ブルジョワ芸術」、「形式主義」として先鋭的な表現が居場所を失っていく。これは、今、ぼくなんかが言っている言説も、注意しないと、最終的に、自分の首をしめ自由を奪うような言説に繋がっていき兼ねないということ。100年前のロシア(ソ連)での話として読むものの、現代の日本での話のように読めることはいっぱいあり、色々考えのきっかえをもらった。

 

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ピアノの練習曲集《春日の50の物語》を進めている。27曲目の《春日南小学校》は、3連符のエテュードになった。28曲目の《紅葉ヶ丘》は、カノンのエテュードに。29曲目の《ほのぼの広場》は、装飾音符のエテュードになり、30曲目の《白水大池公園》は分散和音のエテュードに。元々、8曲目の《ドリームクローバー》が分散和音のエテュードだったので、これをルバートのエテュードにした。とりあえず、30曲で、60%。9月中旬までに、50曲目までやって、そこから1ヶ月でブラッシュアップして、完成させてレコーディング、という流れの予定。

 

ガチャ・コン音楽祭Vol.2『あかねさす ゴングとバカの ひらく音』のフライヤーデザインの最新版が、デザイナーの大田高充さんから届く。表紙案が4通りあって、どれも素晴らしく、4通りのフライヤーを作りたいけど、どれを選ぶか考え中。