野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

中野裕介トーク

本日より不知火美術館・図書館での中野裕介/パラモデルの展覧会『かなたをよむ:海と空のあいだのP』が始まった。本日は、展覧会を見る時間は取れなかったが、中野裕介さんのアーティストトークを聴きに行った。

 

kumanichi.com

 

現代美術のアーティストだが、大学で日本画を学ばれたようで、日本画と無関係のような活動も、実は日本画から繋がっている。プラレールを連結して空間に繋いでいくことと、別々な書籍の引用を連結して空間を作っていくことも、本人の中では繋がっている。テキストと絵画の混在は、書画、漫画など、伝統的な方法の延長と言える。関係性や脈絡が見えにくいと見られがちな活動は、非常に一貫性があることがよくわかるトークであった。

 

進行役の美術館の里村真理さんが、今回の新作について何度も質問を繰り出すが、あまり作品のディテールや引用した本についての細かい話には深入りしなかったのが印象的。コンセプトメイカーとしての中野さんと、絵を描く職人としての中野さんの間に作品があると思うが、トークでは職人としての中野さんよりはコンセプトメイカーの中野さんが饒舌だった。

 

作曲中の《春日の50の物語》の1〜8曲目を推敲しつつ、9曲目の《夢》の譜面を書く。