野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

あかね児童合唱団/金屋町リサーチ

滋賀に移動。本日は、あかね児童合唱団とのワークショップ。10月23日のツアーライブに出演していただく。昨年、日野少年少女合唱団に歌ってもらい電車の車内で放送した駅名ソング《豊郷》、《平田》、《スクリーン》、《日野》、《長谷野》を、今年は生演奏で歌っていただく。昨年と違う合唱団が歌ってくれるのも新鮮。2回の練習を経て、すでにとてもいい感じ。

 

続いて、昨年、岡田健太郎さんとのワークショップで作った《朝日野》をバージョンアップするのが、今回の一番の目的。子どもたちに竹田神社と朝日野駅について質問し、歌詞を考える。その後、メロディーも考えて、2022年バージョンの《朝日野》のスケッチ完了。近々、ぼくが児童合唱用に編曲。

 

で、当初の計画ではここまでだったのだが、ベトナムのゴングと児童合唱の合体もやってみたかったので、ベトナムの伝統曲のメロディーに当てはまる歌詞を考えた。ベトナムの音楽なのに、なぜか75調が合う。あかね児童合唱団の「あかね」の由来となっている額田王万葉集の和歌

 

あかねさす むさらきのゆき しめのゆき のもりはみずや きみがそでふる

 

を歌ってみた。近江鉄道の「あかね号」も、この和歌に由来するものだろう。額田王のいた飛鳥時代に、大陸から伝来した梵鐘や鋳物の技術が滋賀に残り、そのことを思いながら、ベトナムのゴングを奏でる企画を考えたのだが、そこに飛鳥時代の和歌が重なってくる。歌垣について、改めて考えたくなった。

 

打ち合わせの後、八日市へ移動。八日市の金屋町を散策してリサーチしてみた。滋賀の鋳物師について調べている中で、金屋町という地名も鋳物が由来とあったので、まずは歩いてみようと思った。すると、金念寺というお寺があった。名前からして「金」だ。このお寺には梵鐘もあり、江州音頭の碑もある。お寺のすぐ側にある灯籠に、「金壽組」と書かれていた。梵鐘工場の「金壽堂」とそっくりな名前。何か関係があるのだろうか?その後も金屋町を散策。野々宮神社にも参詣。その向かいに図書館があり、東近江江州音頭会館の入った建物もあった。どちらも閉館時刻を過ぎているので、中には入れず。

 

本町商店街のお祭りのようで、すごい人混み。藤野さんの共同アトリエsoilでお会いした大道芸の丸ちぇろさんの実演もあり、偶然、県の近江鉄道担当の谷さんにもバッタリお会いしたりした。