野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

滋賀県立美術館にて音響チェック

短期間の城崎滞在だったが、温泉に入らないまま城崎を発つのは心残りなので、朝風呂。温泉でリラックス後、出発。昨日の大雨で、電車が運休で、駅で待ちぼうけの後、滋賀に向かう。

 

電車の移動中の読書がはかどり、The Musical Language of Pierre Boulezを読了。作曲家ピエール・ブーレーズの音楽語法を詳細に分析した本。20代の頃の全音列主義の作品が有名で、指揮者としての活動が有名で作曲作品が決して多くない作曲家だが、その後の様々な試行錯誤の足跡を分析していくのも、興味深い作業だった。同じ作品のバージョン違いや兄弟みたいな作品を書いていて、楽譜上の構造や数学的なフォルムと、聴覚的に聴衆が受け取る印象との間で、いろいろ葛藤した作曲家の試行錯誤を追体験

 

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7月9日にオープンする「塔本シスコ展」の展示作業が進行中の滋賀県立美術館の展示室にて、野村の新作《2022年のウマイレガワ》の音源をテストとして流してみた。スピーカーを展示会場の最後の部屋に設置して音源を流すと、一応、他の展示空間でも聞こえ、スピーカーの位置や音量についての方向性を学芸員の三宅敦大さんとチェック。シスコの作品とともに味わえるの楽しみだなぁ。音源は約8分で、1時間に1回流れる予定。