野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

香港との歌づくりワークショップ3回目/ベトナムのゴング初体験

京都に移動。しかし、今日の午後に香港とのオンラインワークショップがあるので、野田智子さんと山城大督さんのお宅にお邪魔させていただき、お宅の電子ピアノをお借りし、そこから香港とのワークショップ。久しぶりに山城さんともお会いできた。

 

香港のCCCDによる高齢者の歌のオンラインワークショップの3回目。毎週火曜日に香港の人たちと過ごせる時間が、なかなか貴重。柔軟体操をして体をほぐして、3回目で馴染んできたので、今日は相撲の話も少しして、四股も一緒に踏んでみた。体がほぐれた後に、みんなで声を出してハモらせる。なかなかいいけど、誰かの声だけ大きい声で拾われることもあるので、それぞれが自分の部屋の中を動きながら声を出してもらう。マイクに近づいたり遠ざかったりするので、いろいろな声が聞こえてくる。せっかくなので、これにぼくがピアノで伴奏するバージョンをしたら、皆さんも単に音を伸ばすだけじゃなくって、鼻歌のようないい歌声がいっぱい聞こえてきた。

 

ということで、前回までに作った歌をおさらいする。地球温暖化についての歌で、90%くらい広東語で、5%日本語、5%英語という歌詞。ファシリテートをしているぼくが、広東語に悪戦苦闘しながら歌っている。細かいアレンジや合図を決めたり、振付を確認したり。

 

3回目だが、一人一人の名前を呼べない。zoomに名前が漢字で書かれていても、発音の仕方がわからない。だから、一人一人に軽く自己紹介をしてもらった。定年退職後の人が多いこともわかった。歌が好きな人もいれば、歌は苦手だったが楽しんで参加しているという人もいる。ダンスが好きで体を動かせるのが嬉しいという人もいる。だから、音楽に合わせて皆さんに体を動かしてもらったりもして、3回目ともなると馴染んできて、いい雰囲気。来週で最後かと思うと寂しい。最後には、野田さんと息子の世界くんも画面の方々に挨拶してくれて、楽しく終了。

 

その後は、京大の東南アジア研に出かけて(with 野田さん、永尾さん、びわ湖芸術文化財団の山元さん、福本さん)、柳沢英輔さんのベトナムゴングのリハーサルを見学。7月17日の『ガチャ・コン音楽祭』の”ぐるぐる”ワークショップで、柳沢さんをゲストにお招きし、ゴングをやる予定。

 

biwako-arts.or.jp

 

実際にベトナムの葬礼の音楽を体験してみた。こぶつきゴングがリズムを刻み、平ゴングが一人一音ずつ割り当てられていて、五音音階によるメロディーを奏でる。見学のつもりが、一緒に合奏に加わらせていただく。消音の仕方が慣れず難しいが、ループがなかなか楽しい。1時間ほどでかなりアンサンブルもよくなってくる。その後も歩きながら演奏してみたり、即興で音を出してみたり、手拍子でやってみたり、いろいろ実験。

 

soundcloud.com

 

メンバーは文化人類学の研究者だったり、お寺の住職だったり、デザイナーだったり、音楽家とは全然違う多彩な面白い方々が集われていて、そのこと自体も面白く、その後、近くのカレー屋で語り合う時間まで含めて楽しんだ。