野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

写真家が見た水俣/日本の梵鐘/ヘアカット

3ヶ月以上髪を切っていない。熊本は夏のように暑い。髪を切りたい。里村さんがいつも行っている熊本市内の美容院に行くというので、同じ美容院に行ってみることに。

 

途中、熊本日日新聞の新聞博物館で行われている「9人の写真家が見た水俣」に立ち寄る。熊本県に住むことで、同じ県内に水俣があるため、日々水俣病のこと、水俣のことを意識して暮らすことになっている。写真は水俣病患者を写すだけでなく、漁師の暮らし、水俣の風景、反対運動の実際、対応する政治家の表情やチッソの社長や幹部など、様々。写真家によっては、撮った時の心境などがコメントで書かれているものもある。水俣病が発症し始めた頃、水俣市民の多くがチッソという会社の関係者で、漁師の数は非常に少なく、税収もチッソからの収入が大半を占めていたという。漁師はマイノリティで、さらには発症した患者はマジョリティの中に埋もれてしまいかねないマイノリティだった。マイノリティの声をなかったことにしようとする企業、政治家、メディア、市民。それに対して、マイノリティの声を届けようとする草の根運動、ジャーナリスト。その中で写真の担った役割も決して小さくない。そして、60年前には日本各地に当たり前にあった漁村の生活も、水俣だったために写真に残されている。

 

kumanichi.com

 

熊本県立図書館に行って、本を返却し、本を借りる。『日本の梵鐘』という定価27,500円という本は、さすがに買えないので、今回、図書館で借りた。『ガチャ・コン音楽祭』に向けての梵鐘の研究に必須の本。

 

www.yoshikawa-k.co.jp

 

その後はヘアカット。美容師さんに色々質問する。ハサミは定期的に研いでいて、研いですぐの時は、切れ味が抜群すぎるので緊張するとか、ハサミは個人持ちで20万円するとか、興味深い。音楽家が個人持ちで高価な楽器を持っていて、メンテナンスしていることなどと決して遠くない。ぼくの頭の形と、それに対して、髪をどう切ったらいいか、などについても興味深い話をいっぱい聞いた。(頭のてっぺんが平たいので、上はつぶれないようにする。頭の横は出っぱっているので、こちらはつぶし気味にする、など)。勉強になる。