野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

塔本シスコとピアノ/シスコの家/金の音楽

滋賀県立美術館での『塔本シスコ展』に向けて、どんな音楽をつくるか考えながら、とりあえずピアノの譜面台に図録を置いて、塔本シスコの絵を見ながらピアノを弾く。すると、音楽に合わせて絵が動き出すように見えて、ピアノを弾くのが楽しくなる。シスコの溢れ出てくるようなエネルギーと呼応するように、ピアノから音楽が溢れ出てくる感じ。明日から、シスコの絵を見ながら、ピアノの音源を自宅で録音していこう。段ボールに描いたり、手近なものに何でも描いたシスコなので、スタジオで調律されたピアノを弾くよりも、自宅で生活の中で弾いた絵日記のような録音をとりためるのがいい気がしてきた。

 

里村さんが仕事が休みなので、シスコの生まれた家のあたりを探しに行った。不知火美術館から近い。我が家からも自転車で来られる距離だ。明日以降も、この辺りを毎日、散策してみよう。

 

びわ湖アーティスツみんぐる2022『ガチャ・コン音楽祭』について考えている。梵鐘工場を見学したり、鋳物の神様の神社があったりして、五行思想のことを思う。「木」、「火」、「土」、「金」、「水」の5つの要素のうち、「木」の音楽は、これから大分県林業の盛んな日田で行おうとしている。「火」の音楽については、六甲での『ネイチャー・アート・キャンプ』で《火の音楽会》を実施したし、インドネシアのメメット・チャイルル・スラマットとやっている。「土」の音楽については、淡路島で《瓦の音楽》に取り組んだ。「水」の音楽については、『あいちトリエンナーレ』で《プールの音楽会》をやったり、『福岡トリエンナーレ』で《お湯の音楽会》も実施したし、『千住だじゃれ音楽祭』で《風呂フェッショナルなコンサート》も行った。つまり、「金」の音楽以外はやっている。だから、今回、金属の音楽にフォーカスするのもありなのかな。そう思って、さらに時代を遡って、銅鐸と滋賀で検索してみたら、(近江鉄道沿線からは離れてしまうけど)野洲の大岩山古墳で銅鐸がいっぱい出ているみたいで、野洲市歴史民俗博物館の通称は銅鐸博物館と言うらしい。今度、遊びに行ってみよう。「金」の音楽だと、「鉄道」も「鉄」でつながる。金管(ブラス)バンドも繋がるなぁ。