野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

滋賀県リサーチ

本日は、打楽器奏者/作曲家の片岡祐介さんの誕生日であるが、作曲家の藤倉大さんの誕生日でもあるらしい。ぼくは藤倉さんとは面識がなく、片岡さんとは数え切れないほど共演をしているが、似ても似つかぬ二人の個性的な音楽家が同じ誕生日であることを面白く思う。

 

滋賀県リサーチに出かける。財団の山元喬さん、福本美紀さん、コーディネーターの野田智子さん、永尾美久さんと。東近江市湖東支所の竹内さんのナビゲートで七百余年の伝統を持つ梵鐘の鋳造の金壽堂を見学。

www.kinjudo.jp

 

社長代理の片山茂樹さん、フランス語通訳の藤江裕美子さん、湖東地区まちづくり協議会の小島秋彦さん、地域コーディネーターの黄地伸さんという濃いメンバーが出迎えてくださる。7世紀ごろに大陸から梵鐘づくりが伝来したそうだが、その頃に(現在金壽堂がある)長(おさ)という集落で梵鐘作りが始まったようだ。そもそも、近くにある百済寺も7世紀にできたお寺で法隆寺よりも歴史は古い。コロナ前は、中国への輸出もあったが、コロナで注文が途絶えて、現在は工場は休業中。毎週金曜日に金壽堂カフェを開催し、地元の方々で集まって交流しているとのこと。工場見学しながら、柳沢英輔さんの『ベトナムの大地にゴングが響く』という本の中で出てくるベトナムのゴング製作の工程を思い出す。

tokosha.stores.jp

 

続いて、ことうヘムスロイド村へ。森の中にあるアトリエ。Base for Restというカフェもあるが、今日はお休み。明日から展覧会のため、作家の方々がほとんどいらっしゃらないが、2箇所だけ工房見学もさせていただく。作品創作するのに、とても恵まれた環境である。もともと、東近江市に合併する前の旧湖東町がスウェーデンのレトビックと姉妹都市であったことから、スウェーデン語の「手づくり工芸」を意味する「ヘムスロイド」を冠した施設を作り、今年が30周年とのこと。

www.koto-hems.com

 

ヘムスロイド村を紹介する展覧会が今週末から始まるとのことで、そちらの会場である探検の殿堂というミュージアムに行く。熱意溢れる館長の角川咲江さんにご案内いただき、設営中の展覧会の様子も見せていただく。西堀榮三郎という探検家を記念したミュージアム。こちらも30年近く前につくられた施設。

e-omi-muse.com

 

今日は東近江市の中でも旧湖東町だったエリアを案内していただき、豊かな自然と熱意ある人々の営みに触れ、滋賀の魅力について色々学ばせていただいた。とにかく、滋賀県は奥深く面白く魅力が溢れ出てくる場所であることは、来るたびに痛感している。と同時に、当初からテーマとして挙げられているアーティストの発表の場づくりや交流の機会づくりについて、いろいろ工夫して企画を組みたい、という気持ちも高まっている。でも、まだまだ、全然見えてないので、ちゃんと整理して、練り上げていこうと思う。