野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

未完星/ハーモニホン/春の気配/池田修さん

まもなく不知火美術館がリニューアルオープンする。KOSUGE1-16の《未完星》という展覧会が最初の企画で、そこで未完なものを募集している。ぼくも市民として応募することになり、作文した。展示されるかな。

kumamoto-museum.net

 

南川朱生さんの鍵盤ハーモニカ研究の連載《アルス・ピヤニカ》の3回目が公開になった。鍵盤ハーモニカの歴史をきちんと調べた文献がない中、非常に詳細に調べていて、本当に面白い。20世紀の日本の学校教育で、ハーモニカ、アコーディオン、足踏みオルガン、鍵盤ハーモニカと、フリーリード系の楽器が活用されまくったのは、本当に不思議。世界中探しても、フリーリードばっかりの器楽合奏って珍しいのに、何の因果か日本はそうなった。ハーモニカやアコーディオンや足踏みオルガンや鍵盤ハーモニカに、懐かしさを覚えてしまうメンタリティが埋め込まれてしまうほどに普及した。その歴史のことを、南川さんが図書館に通い、資料と睨めっこしながら、貴重な原稿にまとめて下さっている。しかも、「ハーモニホン」を演奏するぼくの写真も掲載してくれている。ハーモニホンを購入したのは、片岡祐介さんが「ぼくは買わないけど、こういう歴史的な楽器は、野村さんは持ってた方がいいんじゃないか」とヤフオクに出ていることを教えてくれた。その助言に従って素直に購入して後、なかなか出番がなかったが、ついに日の目を浴びた。

haruaki.shunjusha.co.jp

 

今日はかなり暖かく、野菜の苗を買い、トマトやバジルなどを植え付けたり、自転車で丘を登って満開に近づいている桜の花を見たりした。最近はウグイスの鳴き声もよく聴く。

 

池田修さんの訃報。PHスタジオとして、建築と美術を横断するプロジェクトを数々行い、横浜のBankARTを立ち上げ、精力的に活動。1997年に愛知県の岩倉でのパブリックアートの企画に島袋道浩くんが出品した時に初めてお会いした。BankARTを始める時とか、本当に嬉しそうに笑顔でスペースを見せて下さったり、その後も何度もBankARTの色々な企画に誘っていただいたりした。人はいつ死んでもおかしくないのかもしれないけれども、大切な兄貴を失ってしまった喪失感を何と表現していいのだろう。本当にショック。ご冥福をお祈りすると同時に、ますます、悔いのない人生を送りたいと思う。合掌。