野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

シゴトがないところにシゴトをつくる/きたまり『老花夜想』

東京藝術大学千住キャンパスへ。明後日の上野キャンパスでのイベント『野村誠レクチャー&コンサート シゴトがないところにシゴトをつくる』に向けて、東京藝大を昨年卒業したコントラバス奏者の水野翔子さんと音まち事務局(コタローくん、ヤギさん、吉田さん、西川さん)との打ち合わせ。仕事について、音楽活動について、だじゃれ音楽について、などなど、について話し合ったり、楽器を鳴らしたりする2時間。コントラバス奏者の水野さんはヴィオラ・ダ・ガンバも演奏するので、今日はガンバにフォーカスを当てて色々実験をした。調弦にフォーカスを当てる調弦協奏曲とか、1台のガンバを二人で演奏する二人羽織奏法など。明後日は、美術学部の学生も来るし、音楽用語など専門用語を使って意味がわからない時に即座に質問する「質問さん」の役割の人を作ってはどうか、という話になった。これもシゴトがないとことにシゴトをつくっているように思う。

 

3月のきたまり演出/振付の公演に向けて、きたまり演出の昨年の公演『老花夜想ノクターン)』の公演動画を見て太田省吾ときたまりダンスを勉強中。1時間半の濃密なダンスデュオ。体も顔も雄弁なダンスだが、ダンサーは声を発しない無言劇。音楽は囃子と義太夫三味線と歌で、能のような文楽のような、でも、どれでもないような音楽で、太棹三味線で乙女の祈りを弾くところもあり、音楽も非常に雄弁なダンス公演。動画で見るだけでも照明もとてもいい。生で体験したかったなぁ。千住だじゃれ音楽祭にも参加してくれた小川実加子さんが小鼓で出ていた。