野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

荒井英治さん/《十和田十景》のテキスト/フェルマーの最終定理/香港のモックさん

2月22日に豊中市立文化芸術センターで行われるコンサート(【主催】センチュリー室内楽シリーズピアソラ☆ナイト~featuring 野村誠 | 豊中市立文化芸術センター)の出演者が変更になった。日本センチュリー交響楽団客演首席コンサートマスターの荒井英治さんが出演することになった。以前、音楽評論家の池田逸子さんにばったりお会いした時に、センチュリー響と仕事をしていると話したら、池田さんがセンチュリーと言えば、と荒井さんのお名前を出されていたが、これまでご一緒する機会はなかった。キング・クリムゾン弦楽四重奏に編曲して演奏される方のようで、野村作品をどんなふうに演奏してくださるか楽しみだ。

 

2月6日の十和田での公演『トワダノワダイ』で野村のピアノ曲《十和田十景》(2019)の10曲を演奏し、砂連尾さん、佐久間さんがダンスで応答してくれる。お二人にそれぞれの曲の背景を知って欲しいので、創作の経緯の説明テキストを書いて送る。

 

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3月18日の門限ズ+ボーイズ公演に向けてのリハーサル。シーンごとに個別にリハーサルが進行中だが、今日は全体稽古で、そうしたものを踏まえて、リモートだが通し稽古を行った。個別リハーサルで細部を詰めていくが、通し稽古では大きな流れとか、公演全体を見ていく作業が中心になる。

 

サイモン・シン著『フェルマーの最終定理』を読了。本当に面白い本で夢中になって読んだ。数学の話というよりは、コラボレーションの話としても読める。数学では、伝統とかコンテンポラリーとか言わないが、必然的に古来からの理論と新しい理論が複合的に出会ったり、思いもよらない(数学の中の)異ジャンルが結びついたり。単なる数論の一問題と思われたフェルマーの最終定理を証明するために、様々なジャンルの数学を総動員する必要が出てきて、フェルマーの最終定理が解明できたことの副産物として、かけ離れた数学の分野間に橋がかかっていく。だじゃれ音楽で、結びつかないものの間に橋渡しをすると言うように、数学の中でも異ジャンルをつなぐ数学が出現してきていることも興味深かった。

 

香港のsound pocketの雨傘革命のフィールドレコーディングしたCDを聴き、香港のことを思い出していると、香港のモックさんから連絡が来る。オンラインのワークショップの依頼。香港の情勢の話など聞く。モックさんから水俣へ行ったか、と聞かれる。モックさんは水俣の明水園を3度視察で訪れたことがあると言う。まだ見られていない映画「水俣曼荼羅」も早く見たい。

 

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