野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

今年もあと5日/デューク・エリントンの楽譜

急に冷え込んできた。熊本はちゃんと寒い。大晦日に向けて大掃除を開始したいけど、今日はのんびりしたので、大して日記に書くことない。

 

12月1日のコンサートの動画の編集ができあがったようで、確認する。《ルー・ハリソンへのオマージュ》(2017)というヴァイオリンとバリガムランの五重奏で、これがとっても熱演/名演で思わず何度も再生してしまう。近々、公開になるかな。

 

2021年も残すところ5日。文化庁のAFF(=Arts for the future)にぼくは応募しなかったけれども、色々な人が応募して野村に作曲を委嘱してくれたり、出演を依頼してくれたりして、随分いろいろな仕事がきた。面倒な書類を書いたりして申請して、申請した人は何も儲からないのに、申請していないぼくは、請求書や領収書を書く以外に書類を書く必要がなく、作曲したり演奏したりさせてもらっている。こうやって得た収入を、自分で一人占めするんじゃなくって、若いアーティストを支援するプロジェクトを考えるとか、自分なりに有効な使い方をイメージして考えていきたいなぁ。

 

熊本に引っ越す直前、京都で作曲したピアノ曲《自分も生まれる旅》を久しぶりに弾いてみた。弾いているうちに、瞑想状態に入っていくような曲。新しい曲を作るために自分を整えるために弾いたりするといい音楽だなぁ。心がザワザワしていても、何か心が整理されていくような曲。

 

David Schiff著『THE ELLINGTON CENTURY』をもうちょっとで読み終わりそう。20世紀のジャズの巨匠デューク・エリントンを中核に据えながら、同時代のジャズやポピュラー音楽のみならず、シェーンベルクストラヴィンスキーバルトーク、ミヨー、ベルクなどの同時代のクラシック音楽の作曲家にも触れながら進んでいく面白い本。デューク・エリントンは、ジャズ、ミュージカル、映画、宗教音楽、、、、色々な作品を作っていて、デューク・エリントンの手書きの譜面もワシントンのスミソニアンアメリカ歴史博物館にアーカイブされているが、出版されたりしていないので、音源はいくらでも出回っているし、誰かがアレンジしたり書き起こした譜面は出回っているが、作曲者自身が実際に何を書いていたか、その楽譜は流通していない。そして、それを見た時の著者の感動を読むと、見たくなった。