野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

休日モード/夏目漱石と寺田寅彦

今日からの5日間は、休養モードで充電の予定。なので、お仕事は来週から再開で先送りなのだが、昨日の録音だけは、10月1日からの近江鉄道での車内放送に間に合わせないといけないので、音源を聴いてテイク選び。タイムマシンレコードの五島昭彦さんにデータを送り、マスタリング(整音)してもらい、「朝日野」駅と「河辺の森」駅の駅名ソングの音源も完成。10月1日〜31日までの31日間、近江鉄道の900形車両で放送される。ワクワク。

 

今日はオフなので、のんびり自宅でリラックス。仕事と関係なくピアノを弾いて遊ぶ。趣味のクラシック音楽で、バッハを弾いたり、ショスタコーヴィッチを弾いて遊ぶ。趣味の尺八で、尺八を吹いて遊ぶ。仕事で音楽やってるのに、オフの時に音楽やって遊ぶって、どういうことかと思われるかもしれないが、〆切に追われて作曲しているのと、プロジェクトの準備で練習したり企画を考えたりしているのも楽しいのだが、全く違う次元で、完全な趣味で音楽やっているのは、また楽しいのだ。ルトスワフスキのオーケストラ曲のスコアなんか持っていても、開くことがなければ宝の持ち腐れ。ただ、楽譜を眺めてうっとりしたりできるのが、こういう暇な時の特典なので、ルトスワフスキの《Livre pour orchestre》の楽譜を眺めて、楽しむ。画集を眺めるのも楽しいし、音楽を聴くのも楽しいが、楽譜を眺めるのも実は楽しい。

 

家の掃除も楽しい。今日はお風呂掃除を楽しんだ。畑仕事も少しした。畝を作って、大根の種まきした。先日、種まきしたホウレンソウやカブは発芽している。オフなので、大相撲もAbema TVで観戦。生島ヒロシというアナウンサーが、人生初の大相撲中継ということで、全然慣れていなくて、いつ取り組みが始まるかすら分かっていなくて、しばしば秀ノ山親方に「始まりますよ」と言われたりしてた。経験なしでいきなりやるのは、無茶振りなんだと思うが、その違和感を敢えて売りにして起用しているのだろう。

 

毎日、四股を1000回踏んでいるのだが、今日は「四股1000」を始めて500日目ということで、元力士で相撲探求家の一ノ矢さんが「四股1000」に参加してくださった。ぼくは、ここのところ毎日読んでいる『我が回想の双葉山定次』を音読。一ノ矢さんのカウントで四股を踏めるのは、得難い体験。一ノ矢さんは、新連載で夏目漱石寺田寅彦が相撲について架空の対話をするシリーズを始めたところだ。夏目漱石明治29年(1896年)に熊本の第五高等学校(現在の熊本大学)に赴任。寺田寅彦明治29年に第五高等学校に入学。二人はそれからの数年を熊本で過ごしている。熊本に住んでいると、漱石や寅彦を身近に感じるようになる。熊本から見えてくることがあって、面白い。

 

昨年、JACSHA(日本相撲聞芸術作曲家協議会)で城崎国際アートセンターにレジデンスし、竹野相撲甚句をリサーチし、《オペラ双葉山 竹野の段》を発表したが、その時に同行した映画監督の波田野州平さんが、75分のドキュメンタリー映画としてまとめてくれた。その映画を、今日は里村真理さんと二人で再度見た。いい映画だなぁ。来年には公開になる予定。