野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

びわ湖アーティスツみんぐる2021『ガチャ・コン音楽祭』遠足「さんぽと歌」

びわ湖アーティスツみんぐる2021『ガチャ・コン音楽祭』のプロジェクト・ディレクターをしている。プレイベントとして、6月のキックオフ対談、7月−9月に3回開催の地域コーディネーター”ぐるぐる”育成講座を行い、いよいよ、これから4つのプログラムが次々に行われる。

 

プログラム1 遠足「さんぽと歌」(9月)

プログラム2 「車内放送歌合戦」(10月1日〜31日)

プログラム3 ツアーライブ「無人駅の音楽会」(10月17日)

プログラム4 クロージング(10月31日)

 

今日は、プログラム1の遠足「さんぽと歌」を開催。緊急事態宣言の滋賀県なので、急遽一般公募での開催を中止にし、関係者(財団スタッフ、地域コーディネーター”ぐるぐる”)のみでの開催に切りかえ実施。シンガーソングライターの岡田健太郎さんと野村が講師を務めるワークショップ。

 

午前中は、朝日野駅周辺を散策の後、竹田神社の能舞台でうたづくり。彼岸花がいっぱい咲いている。「朝日野」からリズムをつくる際に、「あさ、あさ、あさひの」と「あさ」を繰り返す案が出る。そこからイントネーションを考えてメロディーをつくり、さらに竹田神社について短い言葉で歌詞を加えて、車内放送で流せる20秒の歌を作りレコーディング。あっという間に名曲ができた。竹田神社へのお礼を込めて、野村の《鍵盤ハーモニカ・イントロダクション》と岡田さんの《転校生》と《黄色い電車》を、能舞台で奉納演奏した。わざわざ能舞台を清掃し準備していただいた地元の方々と竹田神社への感謝を込めて。岡田さんと初共演できたのも楽しかった。

 

午後は、河辺の森駅周辺を散策。河辺の森駅は周りは田んぼばかりの無人駅。高校時代に寝過ごして、夜この駅で1時間後の逆向きの電車を待ったというエピソードに着想を得て、「待つ」をテーマの歌をつくることになった。途中で、高齢者施設から羊の鳴き声が聞こえてきた。散歩を終えて駅に戻ってくると、自転車で一人待っている少年がいて、しばらくすると、電車が到着すると、少女が降りてきて、二人が歩き出す、という光景に出会った。こうした体験から、みんなで歌詞を考えた。そうして考えた歌詞を、岡田さんがラブソングに練り上げていく。そして、作曲して、レコーディング。前奏や間奏では、みんなで羊やカエルの鳴き声なども加わり、コロナでなければワークショップ開催地だったはずの「河辺いきものの森」への思いも馳せた。

 

今日つくった2つの歌も、10月には「車内放送歌合戦」として、近江鉄道(900形車両)で放送される。

 

その後は、財団の山元さん、福本さん、コーディネーターの野田さん、永尾さんとのミーティング。”ぐるぐる”メンバーたちから、企画案がいろいろ生まれていること、挨拶に回った際に地域の方々が駅や地域について説明したい、などの提案をいただき、関係性が少しずつ深まっていることなど、この座組みで動いてきた成果が少しずつ表れてきている。嬉しい。