野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

言語脳と非言語脳の間/宇宙船のウ!

コントラバスの新曲の作曲は大詰めで、今日でほぼ完成の予定で進めていたが、全く着地できず、何をやってもうまくいかない。つまり、方針がおかしい。今日、色々書いたけれども、全てボツにした。何がうまくいかないかというと、コントラバスのために作曲する時には、非言語脳で音楽を書く。歌詞を考える時には、言語脳で書く。非言語の世界では成立するし、言語の世界でも成立する。この二つをドッキングさせればいいと思って作業を始めたが、言語脳で作った言葉を、非言語の音の世界が重ね合わさって相乗効果となってくれずに、打ち消しあってしまう。何がいけないんだーー!!!結局、ここまで散々言葉もあって歌ったんで、もう言葉は要らないと、実は心の底では感じていたようだ。ということで、今日書いた歌詞やら歌やらを全部消していく。そうすることで、コントラバスが出すシンプルな音こそが、まさに「言葉」なのだと気づく。コントラバスは、もちろんオーケストラとかアンサンブルの中でも、言葉を発しているが、他の楽器の音が全部なくなって、コントラバスだけになった時に、そのコントラバスの言葉がよりクリアに聞こえてくる。独奏だからと言って、何も無理して高い音だしたり、速いパッセージを弾いたりする必要はない。いつも通りでいい。いつも通りの普段着のコントラバスの声を、そのまま聞きたい。それでいいのか。それがいいのか。

 

本日は、門限ズとボーイズと九州大学のプロジェクトの定例のクリエーション(リハーサル)。顔のストレッチ、二人ずつでの対話、遠隔デュオダンス+遠隔2台ピアノ+朗読+鏡etc.のセッションで、宇宙体験したり。テクノロジーに人間が合わせるのもいいが、もりっちの「身体障害者にテクノロジーが合わせて欲しい」発言も印象的。既に色々面白いことが起こっていて、今後どうなっていくのか楽しみ。リモートで何度も会うことで、親密さが増してきていて、バンドになってきている。