野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

無参加者ワークショップ/能舞台/八日市文化芸術会館/石橋を叩いて渡る

びわ湖アーティスツみんぐる2021『ガチャ・コン音楽祭』のプログラムを準備中。本日は、プログラム1「うたと遠足」のための打ち合わせ。財団の山元さん、福本さん、コーディネーターの永尾さん、野田さんと。

 

コロナ以降、コンサートを観客なしで行う無観客公演などが行われることも度々あったが、この「うたと遠足」は、ワークショップ。少人数の散歩なのだが、最後に歌作りのために半屋内に集まる、コロナ対応で考えたプログラムだった。しかし、コロナウイルス感染拡大を受けて、このワークショップを無参加者開催に切り替えることにした。ワークショップの無参加者開催って意味あるのか、と思われるかもしれないが、一般参加者以外に、会場を提供して下さる地域の方、スタッフなど関係者がいる。この関係者だけの少人数でプログラムを実施し、河辺の森駅朝日野駅の周辺をリサーチし、作詞、作曲をして、その歌を10月の近江鉄道の車内で放送する。ワークショップに一般参加者はゼロになるが、その過程で地域との交流はあるし、その結果作られた歌は、1ヶ月間電車の車内で放送され、多くの人に開かれていく。だから、無参加者開催のワークショップは、関係者(スタッフ、地域コーディネーター"ぐるぐる”)だけでなく、参加したかったけれども参加できなかった人に間接的にどうやって届けるか、の試行錯誤の一歩でもある。

 

近江鉄道朝日野駅から徒歩数分にある竹田神社。東近江市指定文化財になり改修した能舞台がある。改修後、コロナになり、まだお披露目もできていないので、今回の「うたと遠足」で使われることを、宮司さんが大変楽しみにしておられる。無参加者ワークショップだが、この能舞台で密にならずに、能舞台での岡田健太郎さんと野村による即席ステージもやってみようかな。あくまで、非公開のイベントとして。

 

近江鉄道河辺の森駅にも行く。こちらも「うたと遠足」の開催地。駅周辺を散策する。見事な田園風景。稲刈りが次々に行われている。駅の周りに全く民家がないのに、数分歩くだけで、不法投棄への警告の看板、マネキンの顔だけかかし、精米所、お寺、いちごの直販所などなど、色々な風景に出会える。公園もある。散歩が楽しそう。

 

ランチを八日市文化芸術会館のカフェで。ぐるぐるの講座1回目の講師で美術家の藤野さんは、この会館で美術展(Know Artsというシリーズ)の企画もされていて、今日は偶々出勤されていて、思わぬ再会。カフェランチの後、打ち合わせの後、藤野さんにホールを案内していただく。Know Artsのvol.1とvol.2のポストカードをいただく。立川志らくの幟がはためく会館を発ち、水口へ向かう。

 

水口石橋駅の近くの喫茶ポエムのマスターと打ち合わせ。水口石橋駅は民家と近接しているため、10月17日の無人駅でのコンサートが近隣に迷惑になるかもしれないので、事前に地域の方々に挨拶まわりをして、回覧板などで周知する。水口の人の水口囃子への熱い思いは、やはりすごい。ポエムのマスターも曳山祭りのことを色々教えてくださる。店内にあった大相撲カレンダーに相撲茶屋「賀位の山」とあり、元大相撲の力士が水口でちゃんこ屋をやっているとのこと。マスターとともに、近隣の家を巡っていく。いきなり呼び鈴を押して、怪しい人が何人かいたら、宗教の勧誘か訪問販売かと思われるだろうが、マスターが「今度、近江鉄道の〜〜〜、ちょっと音楽があって、〜〜〜」と説明して下さるお陰で、「怪しいものではありません」と言う必要もなく、話が通る。近隣の方々のお顔を拝見することができて、本当にいい方々ばかりで、安心した。また、「音楽好きだから嬉しいわ」と言われたりして、嬉しい。

 

ということで、怒涛の滋賀リサーチが終わる。明日には、竹野(兵庫県豊岡市)に移動の予定だったが、豊岡演劇祭がコロナで中止になったので、熊本に帰る。九州新幹線は相変わらず、ほとんど空席。

 

biwako-arts.or.jp