野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

コントラバスの気持ち/ふれぶん組曲

十和田市現代美術館から連絡があり、新型コロナウイルス感染拡大防止のため9月1日〜30日までの1ヶ月間、臨時休館することが決まり、9月25日、26日に予定していた公演も延期することが決まった。9月は、豊岡演劇祭も中止になり、十和田も延期になったので、遠征が二つキャンセルになった。1ヶ月に二つキャンセルになるのは、非常に残念。逆に、予定よりも制作スケジュールが遅れているコントラバスの新曲と、隙間の時間を見つけて取り組むつもりだった『ガチャ・コン音楽祭』のクロージングのための作曲に、予定よりゆったり時間がとれる。イベントがキャンセルになるのは本当に残念だけれども、気持ちを切り替えて創作の時間をしっかり取ろうと思う。焦ってもダメなので、コツコツ作曲。

 

昨日、ゆっくり休日として過ごしたので、今日は落ち着いて作曲できた。《ことばコントラバス(仮)》の作曲をしたいのだが、歌詞が全然浮かばないので、昨日までは停滞していた。作曲をうんこに例えるのもなんだが、停滞する時は便秘みたいなもので、方針が決まらないと何も出ない。どんだけインプットしようが、ふんばって出そうとしようが何も出ない。または、ろくなものが出ない。逆に、一度、力が抜けて方針も定まると、出そうとしなくても出てくる。今日はコントラバスという言葉で遊びながら歌詞を作文していくと、視界が晴れて、家でバリトンパートを熱唱しながら、楽しく作曲。コントラバスバリトンヴィオラ・ダ・ガンバの作品。コントラバスって、本当に大きくて持ち運び大変そうだ。満員電車やバスに乗る時、本当に大変だろう。あんなに大きいから力もいるだろう。ヴァイオリンの何倍もの距離を指が移動しなければならない重労働なのに、ヴァイオリンばかり目立って美味しいところを持っていかれる。コントラバスの気持ちになると、いろいろ恨めしくなる。しかし、これを単なる愚痴やボヤキにしていては、内輪うけになるので、そういうことを乗り越えて、コントラバスの愚痴から世界平和まで飛躍するような、そんな曲にしたい、と思って歌っている。コントラバスの気持ちになって、つぶやくが、気がつくと熱唱している。

 

7月に春日市ふれあい文化センター(福岡)で行ったワークショップの記録動画が届き、確認し、とてもいい感じにまとめられていたので、微細な修正希望点だけメールする。