野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

「野村誠の動態展示」初日

ながらの座・座での「野村誠の動態展示 in ZaZa」が本日よりスタート。

 

昨夜はカエルの鳴き声が印象的だったが、朝は鳥の声。ウグイスの声。そして、保育園の声。畑から「四股1000」に参加。その後、座・座の何十年も調律されていないピアノを掃除しようと、ピアノの周りに手をつける。火鉢をどかす。何か謎の物体があり、オルゴールのようなものが板に取り付けられている。座・座のオーナーの橋本さんに尋ねると、藤本由紀夫さんの作品だが動かなくなったとのこと。サウンドアーティストの藤本さんは、オルゴールを使った作品を数多く作っていて、30年以上前、ぼくが学生だった頃、ぼくは藤本ファンで、藤本さんの展覧会に通いまくった。確かに橋本さん所蔵の藤本作品は、動かないし音も出ない。ネジを巻いても動かないのだ。だから、これを楽器として手動で演奏してみようと、オルゴールを指で弾いて演奏して遊ぶ。

 

ピアノを掃除し、楽器の中が見えるように板を外してみると、珍しいことにピアノのフレームが青。せっかくだから、これを見えるようにしておこう。こんな具合に、少しずつ空間を変えていく。

 

やたらに長い延長コードがあったので、延長コードを使ったドローイングを考える。橋本さんの家で見つけたもので、どんな遊び方ができるか、発掘する感じだ。

 

午後2時に、最初の予約の方が来られて、色々、質問されまくったり、楽器を鳴らしたり、展示の説明をしたり。次の予約の方が来られて、ケンハモとピアノの違いについて尋ねられたりして、結構、ケンハモのデモンストレーションもした。庭の苔の上で演奏もしたし、トイピアノも演奏したし、青森の《根楽》の話などもして、《根楽》をピアノで演奏したりもした。結構、いっぱい話したし、そこそこ演奏もした。演奏が先にあるというよりは、会話が先にあり、そうした会話から演奏に移っていく感じ。帰り際に作曲を委嘱してくださった方もいた。大正琴を久しぶりに演奏した。

 

夕方、犬のジジの散歩をして後、掃除を続ける。掃除をすることと創作は紙一重。ケンハモを吹きながら作曲してみたり、橋本さんの本棚から興味深い本を読んだり。

 

音まち事務局との打ち合わせ。熊倉純子さんとも久しぶりにミーティング。9月に開催の「Asiaだじゃれ音Line音楽祭」に向けて。そして、Solo International Performing Artsに向けて。「千住の1010人 from 2020年」は着々と進行中。この動画を純子さんに絶賛していただき、だじゃ研10年の成果が集約されていると喜んでもらえて嬉しい。コロナで全てのプロジェクトが中止になる中、やれることをやった。10年間色々やってきたから、その素地があって、緊急事態で変更が続いても成立した。

 

www.youtube.com

今年は、この先のもっと混沌とした面白さをやれたらいいなぁ。

 

低音デュオの演奏会に向けての夏田さんのインタビュー。作品を聞かずにインタビューを聞いただけでも面白い。演奏会楽しみだ。

www.youtube.com