野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

新曲は徐々に発酵中/テレパシーを研究する科学者

《どすこい!シュトックハウゼン》という新曲を低音デュオ(バリトンとチューバ)のために作曲している。構想としては、シュトックハウゼンの相撲に関するレクチャーを歌詞にして、相撲甚句のメロディーで歌う歌。譜面を書いているうちに、バリトンで歌うんだったらとか、チューバでやるんだったら、さらには、低音デュオが演奏するんだったら、と少しずつ発酵して変容し始めていて、だんだん色々生まれてくるのが楽しい。4月19日に完成の予定で進めているので、残り数日でどこまで変容していくかを楽しみたい。

 

Gamelan Composers ForumのYouTubeチャンネルのための簡単な自作の解説動画作成したりもした。

 

ヒューが我が家に置いていったRupert Sheldrake著『Science Delusion』という本をトイレに置いていて、時々読んでいるのだが、これが本当に面白い。テレパシーとか、予知とか、超心理学の研究者である著者が、科学的というのはどういうことか、と解いていく。動物が災害を予知するメカニズムが解らないからと言って、それを迷信だと位置づけるのは科学的ではない。実際に実験して、実証してみて、実証結果の裏付けを出すのが科学だと、テレパシーやら、動物の予知やら、実験して検証して、明らかに統計的なランダムよりも高い確率だから、テレパシーなどがあると考えるのが科学的だ、と著者は主張する。科学者の多くが迷信的に、原理原則を盲信していると反論する。ぼく自身、テレパシーが強い方ではないが、でも、虫の知らせや予感は、ある程度働いている。