野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ピアノ/風呂フェッショナル/たんぽぽの家/ネットTAM

昨日に引き続き、『自分も生まれる旅とノムラノピアノ』のための作曲をしている。とにかく、ピアノに向かって、生まれてきた音を五線紙に書いていく。響きのようなもの、手触りのようなものを、書く。無理に何かを産み出そうとするのではなく、続きを書く。前からの繋がりや流れを意識するのではなく、今、その時に思う音を書く。昨日1−6ページまで書いて、今日は6ページの途中から始めて12ページまで書いた。特に推敲せずに、書いている。推敲は後でいくらでもできるから。でも、1日の最後に、昨日と今日書いたものを続けて弾いてみたら、何か独特な世界ができあがりつつあるようで、良い旅ができそうである。

 

野村誠ウェブサイトをリニューアルする関係で、今、一時的にウェブサイトが見られなくなっている。里村さんが急ピッチでウェブのリニューアルをしてくれている。今までの活動を、プロジェクトとして、並べていく作業と、その簡単な説明と関連動画やサイトへのリンクなどを整理している。そうやっていて、改めて10年前の千住で「だじゃれ音楽」が生まれたばかりの《風呂フェッショナルなコンサート》の動画を見返して、自分が記憶しているよりも随分面白くってびっくりした。

 

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それにしてもウェブサイトが見られなくなっているのに、スペインの人が突然、20世紀のマリンバ作品の研究をしているので、マリンバを含んだ作品について教えてほしいと連絡が来た。《小さな平和活動》(2003)がマリンバと三味線、《くつがえさー音頭》(2005)がマリンバとピアノはあるが、どちらも21世紀。20世紀にはマリンバの作品は書いていないと伝えると、いずれ21世紀にも研究の幅を広げるので、とのこと。

 

たんぽぽの家の『僕が生まれた日』のネット配信が今日まで見られるとのことで、里村さんが購入してくれていたので見た。今、『自分も生まれる旅』の作曲をしている時に、『僕が生まれた日』を見るのも不思議な縁だ。そして、この『僕が生まれた日』は、佐久間新さんの『だんだんたんぼに 夜明かしカエル』の中で登場した『生まれました』という朗読のシーンから、新たに生まれた演劇であったように思う。面白く見た。途中で流れるピアノは野村が演奏しているわけではないが、少し野村的な感じもあって、これは一体誰が弾いているのだろうと思ったら、ガムラングループのマルガサリでも活動するピアニストの西村彰洋くんや大井卓也くんの名前がクレジットされていた。西村くんは、戸島美喜夫の《冬のロンド》とかもレパートリーにしている。また、何かで一緒にやる機会をつくろう。

 

こうして、激動の2020年度が終わった。2021年度が始まる。2021年度は、どんな一年になるのだろう?1月に行ったネットTAMトークイベントの動画が公開になった。そこで語ったように、500個失敗するつもりで果敢にアクションを起こしていく一年になると思う。

 

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