野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

《問題行動ショー》リハーサル

野村誠が日本センチュリー交響楽団のコミュニティ・プログラム・ディレクターになったのが2014年で、そうしたプログラムや考え方について、昨年、野村誠鈴木潤著『音楽の根っこ』という冊子にまとめた。今年は、そうした中から生まれた野村の作曲作品をアーカイブしようということで、今月、来月にレコーディングし、ウェブで有料公開される予定。収録予定曲目は、

 

《問題行動ショー》(クラリネット、ヴァイオリン、ピアノ)

ルー・ハリソンへのオマージュ》(ヴァイオリン、バリガムラン

《ミワモキホアプポグンカマネ》(チェロ、ヴァイオリン、ヴィオラコントラバストロンボーン、ピアノ)

《土俵にあがる15の変奏曲》(ヴァイオリン、ピアノ)

《Beethoven 250 -迷惑な反復コーキョー曲》(アコーディオン、ピアノ)

ハイドン盆栽》(ピアノ)

 

このうち、野村が演奏するのは、《問題行動ショー》、《ミワモキホアプポグンカマネ》、《Beethoven 250》、《ハイドン盆栽》の4曲。本日は、《問題行動ショー》のリハーサル。センチュリー響の巖埼友美さん(ヴァイオリン)と吉岡奏絵さん(クラリネット)と。センチュリーの稽古場にて。お二人は本当に素晴らしい演奏家で、一緒に演奏していて、とても説得力ある力強い音色に圧倒されながら、2年前の初演時の感動が蘇る幸せなリハーサル時間。リハーサルの中で、楽譜上の疑問点や解釈の提案などやりとりをしながら、演奏を練り上げていくのは楽しい。そもそも、こうした合奏する機会がコロナで失われて、オンラインでのセッションが続いていたが、先週のメシアンのコンサートで中川賢一さんと緻密な練習をさせていただき、久しぶりに相手の気配や身振りや息遣いを感じながらアンサンブルをすることを思い出した。正直、1月5日の練習初日では、こうした合奏が久しぶりで、その感覚を忘れかけていたが、この中川さんとの猛稽古でリハビリできて、対面での演奏の感覚がつかめてきた。対面での生音(アコースティック)での演奏の感覚、対面でマイクやアンプを使ってPAしての演奏の感覚、オンラインでの演奏の感覚、どれも全く違い、それぞれのコミュニケーションの仕方がある。また、対面での演奏の機会がなくなったからこそ、こうして対面での演奏の特色が改めて感じられるようになった。

 

初演時の演奏は、以下の動画の46分あたりから。この時の演奏は、砂連尾さんと佐久間さんの歌のニュアンスを真似たり、ダンスとのやりとりもあった。今回は、また全然違う演奏になりそう。それにしても、砂連尾さんと佐久間さんのデュオダンス、素晴らしいなぁ。

 

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 明日は、別件で2019年に作曲した野村のピアノ曲福岡市美術館第2集》の9曲と、《十和田十景》の10曲を録音する予定なので、家でこれらも練習。