野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

Memu Earth Labレジデンス11日目/氷の楽+ウポポ+火の楽+木の楽+建築楽

北海道の十勝の大樹町の芽武にあるMemu Earth Labでのレジデンス11日目。進藤さんの2泊3日の滞在が終わり進藤さんを見送って後、オイカマナイトーでレコーディング。2日前に聞いた謎の獣の声。あれは犬だったのか、クマだったのか?今日もその音がした。正解は沼の水面の氷が割れる音だった。氷の下や氷の上にもマイクをセッティングするJamesとNick。里村さん、千葉さん、森下さんと野村は、氷の上に石を投げる。スライドする音が面白いのだ。氷の上に氷を投げるのも面白い。しかし、一昨日の夕方ほど面白い音響にならない。どうやら気温によって水面の凍り具合が異なり音も違うらしい。朝9時半は早すぎたようで、11時くらいになった方が音は面白くなった。氷の上にトンコリをつけて千葉さんが演奏。野外で聞くトンコリと歌声がとてもいい。

 

昨日に続いて、午後は帯広に行く。車で高速を使って1時間以上の旅。帯広アイヌトウウポポ保存会の練習を見学。到着して、自己紹介を求められるので、『鍵盤ハーモニカ・イントロダクション』を演奏して自己紹介。笑ってもらうと同時に、ぼくのことを少しでも理解してもらう。そして、アイヌの歌や踊りを次々に聞かせて/見せていただくし、さらには、一緒に踊りに加わって体験させていただく。例えば、13拍子になっている曲があったりする。ダンスはかなり下半身を激しく動かす。保存会会長の酒井さんの歌声は本当に素晴らしい。千葉さんのトンコリ演奏と歌も本当によかった。一緒に踊りに混ぜていただけて、楽しかったし嬉しかった。

 

帯広から1時間以上かかって芽武に戻り、焚き火のための流木を集めて後、流木演奏+焚き火のレコーディング。12月の北海道の夜に野外でレコーディングをする我々は、なかなか正気の沙汰ではない。プリミティブなようで、かなり豊かな音色の変化と、単純なリズムの重なりによる複雑なリズムの音楽。その後、敷地内の建築が楽器になり、流木と建築のアンサンブル。

 

夕食の間も、アイヌ音楽についてなど、色々な話を語り合う。今日も体を動かしまくってヘトヘト。

 

あ、Dave Brubeck生誕100年だ。