野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

Memu Earth Labレジデンス2日目

Memu Earth Labのレジデンス2日目。8時起床。朝日が美しい。9時、当縁湿原へ行く。道中にJAXAの施設やインターステラの宇宙開発の施設があったりする。広大な土地に人口が6000人弱の大樹町は、宇宙への出入口にもなっている。湿原は、足元がヌルヌルしたり、足場の触覚自体が独特だったが、音も独特だった。湿原と海の間に土砂が堆積した天然の砂の防音壁が作られていて、海から寄せる波の音が遮音される。だから、波の音の低音成分だけが聞こえてくる。そこで、楽器を鳴らしてみる。砂が吸音材になり、残響がない。また、近くに車が行き交う道路もないので、耳を澄ましても自動車の音が聞こえない。ここは、天然のレコーディングスタジオだ。海に洗われ打ち上げられた石が一箇所にかたまっていて、ここに石を落とすと面白い。11時半に、地域コーディネーターの神宮司亜沙美さんとお会いする。高校生の総合学習のプログラムを東京大学と連携して行おうとしていたり、今度の日曜日に地域の人を集めた交流会のようなワークショップを企画していたりする。相撲と音楽の話、JACSHAでの小川和代リサイタルの話などをする。14時半、「湖水地方コモンズ」を主宰するランドスケープアーキテクトの白井隆さん、料理人の藤井淳史さんを訪ねる。白井さんは、映像プロデューサーとして働いていたが、資本主義経済の歪みや問題点に真っ向から取り組むべく、2010年に移住し、水牛による酪農を開始。藤井さんは今年に入って札幌のイタリアレストランの料理長を退職し、牛を指揮者として牛の時間で料理をする大転換をした。水牛の搾乳を間近で見せていただく。機械からはラモンテヤングのような持続音。

16時、日没直後の海辺で、流木を砂にさすとザクっと音がして、この音で遊ぶ。波の音を背に「ねってい相撲聞」をする。波が旋回するような感覚になる。16時20分、晩成温泉に入浴。17時30分、Memu Earth Hotelのロビーを見学。18時、町に買い出し。19時、森下さん、里村さんと調理。20時、夕食。深夜まで語り合う。25時就寝。

 

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