野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

伝統芸能をアーカイブする武田力さんと

九州大学ソーシャルアートラボ(SAL)の企画で、本日は、伝統芸能アーカイブするアーティスト/俳優の武田力さんとの対談。進行は、SALの長津結一郎さんと村谷つかささんで、SALが作成する本になる計画らしい。

 

茶摘みの動きに合わせる仕事歌が茶摘みなどが機械化されることで失われていて、その歌を歌っていた高齢の方から歌を教わり、それに踊りをつけて「八女茶山おどり」を創作していくような活動をしたりしているらしい。俳優というのは、通常は戯曲があり、演出家の演出があって演技をする。現在の彼にとっての戯曲は、伝統芸能だったり、歴史資料だったりする。一人の劇作家が書いた戯曲を演じる代わりに、長い歴史の中で人々の体を通して継承されてきた戯曲を、彼なりに読み解き、それを演じる。もちろん、単に一方的に鑑賞するだけの観客に対して演じるのではなく、彼と関わる全ての人々とのインタラクティブな関係の間で、彼は彼の役割を演じるのだろう。とても楽しく、2時間はあっという間に過ぎた。話をするのも面白いが、武田力を体感してみたいので、現場で立ち会ってみたい。

 

あと、長津くんがドラマトゥルクとして関わった作品(村川拓也さんの作品)の上映が、今週末ロームシアター京都であるらしいので、ぼくも見に行く予定で、お時間がある方は是非。

 

Gagsadewaのメンバーでジョグジャカルタと東京で何度も楽しい時間を過ごしたDodiさんの訃報。人の死は悲しい。まして、ほんの数年前に元気な姿で出会っている友人の死は特に。ご冥福をお祈りします。

 

その後は、音まち事務局と「世界だじゃれ音Line音楽祭」Day1を経ての打ち合わせ。1週間前に10時間10分イベントをやり終えて、充実の達成感と様々な収穫と反省点を踏まえて、次なるDay2, Day3, Day4, Day5, Day6に向けて、構想が次々に出続ける。はっきり言って、今年度中に全部をやり終えることができないくらいアイディアが山盛り。来年度も続けていくつもりで、今年度にどこまでやるかを話し合う。「千住の1010人 in 2020年」はできなかったけど、「千住の1010人 from 2020年」として「世界だじゃれ音Line音楽祭」を始めて、事務局のマネジメント能力が高まりまくり、だじゃ研の能力もフル稼働で、今、次々に試験的に新しい試みをしている。試行錯誤と小さな失敗と小さな成功を積み重ねながら、一緒に成長していく2020年だ。

 

大相撲を観戦する間もなく、夜は、だじゃ研との活動。「世界だじゃれ音Line音楽祭」Day1の振り返りと次なるDay2, Day3, Day4, Day5, Day6に向けての実験、試行錯誤、意見交換。今日もいっぱい笑った。今後、活動を継続していく上で、反省材料を色々、みんなが提案してくれて、改善策も色々言ってくださるので、ありがたい。Day2, Day3, Day4, Day5, Day6に向けて、だじゃ研から企画のアイディアをどんどん出してもらって、どんどんやってみようと思う。「世界だじゃれ音Line音楽祭」なのだから、もう、なんでもあり、だと思う。凄い企画ばかりである必要もない。本当に取るに足らないような企画でいい。いや、そんな企画がいい。みんなでヌードル食べるだけが、あんなに面白かった。カーテンを開け閉めするだけで、泣きそうになった。だから、どんなアイディアでも、最高の音楽になり得る。それをやっていきたい。