野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ディストーション・コンガの衝撃

ディストーション・コンガが衝撃だった。打楽器奏者の神田佳子さんがZOOMでコンガを叩いてくれたのだが、それは、エレキギターディストーションのように、歪みまくってロックンロールに聞こえたのだ。今朝の「四股1000」でのこと。こういう偶発的な事故のような発見があるので、人々と集うことは面白い。

 

おそらく神田さんのマイクの入力レベルが高すぎて歪んだのか、ZOOMが不思議な変調をしでかしたのか分からないが、トン、トン、トンと拍を刻んでいるはずの打楽器は、ギャイーン、ギュイーン、ギョイーンという音になり、ぼくは思わずケンハモを手にとり、吹いてセッションした。ディストーション・コンガとケンハモ!できることなら、ケンハモもディストーションをかけたい。ZOOMが勝手にディストーションにしてしまう設定を、自由自在に操れるようになりたい。エフェクターとしてのZOOMを、いろいろ探ってみたい。

 

Composite by the Numbersのための作曲にとりかかる。昨日、日本国内でのcovid-19での1日あたりの死亡者数を厚労省のサイトから書き写し、月の満ち欠けと対応させた表をつくってみた。今日は、それを楽譜としてピアノを演奏してみる作業にとりかかった。とりあえず、どんな楽器で演奏する曲にしてもいいのだが、誰かに演奏をお願いして動画を撮影しなければいけないので、自分がやるのがいいのかな、と思ってピアノでやっている。こうやって弾いてみると、こんなに多くの方々がなくなられていたことに、心を痛める。そして、最初に亡くなられた方が2月14日だったことに驚く。あの頃は、「相撲ノオト」のリハーサルに出かけたり、「世界のしょうない音楽祭」に向けて新曲の作曲に着手したりしていて、コロナで命を落としている人のことも知らずに、日常を過ごしていたように思う。その1週間後には、ワークショップやコンサートが次々にキャンセルされ始めた。

 

今日は、このデータを譜面として演奏する方法を試行錯誤して、とりあえず、ルールを決めて音符を書いてみたりしたのだが、ルールに従うバージョンよりも、データを見ながら即興で音を選びながら弾いたものの方が、今のところしっくりきている。もう少しやり方を探ってみようと思う。

 

https://compositebythenumbers.com/