野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

「初代高砂浦五郎」世界初演!竹澤悦子の底力!

本日、「初代高砂浦五郎高砂浦五郎を賜るの段」(原作:一ノ矢、作曲:野村誠地歌三味線:竹澤悦子)の世界初演&公開収録@すみだリバーサイドホール。収容人数700人の会場で、定員50名と設定。超贅沢な空間で、30分強の超難曲を竹澤さんのスーパー熱演、圧倒的なパフォーマンスだった。コロナ以降、初の本番だったという竹澤さんは、5ヶ月ぶりの本番というブランクを全く感じさせない。語りあり、歌あり、相撲甚句あり、行司の口上あり、呼出しのなきあり、三味線で相撲の太鼓のリズムもあり、それらの全てを緊張感が切れることなく、全て自分のものとして解釈して表現した圧巻の演奏。作曲者としても本当に至福の時でした。竹澤悦子の渾身の演奏。彼女の底力を思い知った。悦ちゃん、本当にありがとう。

 

と同時に、歴史ある高砂部屋の初代の高砂親方に関する新作の作曲で関わることで、相撲史にも音楽史にも残る重要な作品を、悔いのないように作曲できたことと、それを一ノ矢さんにも聞いていただけたこと、こうして公開演奏できたこと、さらには、ライブ配信のための収録もできたこと、全て嬉しく思う。すみゆめの萩原さん、岡田さん、さらには、舞台監督/照明の大庭さん、音響の梶野さん、配信の入江さん、二瓶さん、ほかスタッフの皆さんと、こうして一緒に現場ができたこと、嬉しい。

 

初演の動画は、近日中に公開予定。

 

一ノ矢さんとのトークは、たったの1時間では時間が足りないが、でも、本当に面白かった。北斎漫画の絵を見て、そこから、蹲踞の姿勢が素晴らしい、股関節が柔らかい、肩甲骨が柔らかい、などと言える一ノ矢さんが、本当に面白かった。一ノ矢さんと北斎漫画を語るだけでも2時間イベントできる。一ノ矢さんと高砂浦五郎を語るだけでも2時間イベントできる。対談と言いながら、ぼくはぼく自身の作曲の経緯を語る以外は、タイムキープと聞き役に徹しました。もっと、もっとお話伺いたかったなぁ。ちなみに本日のトークは、以下のYouTubeアーカイブあり。

 

https://www.youtube.com/watch?v=f_YnRkz9cP4

 

 

江戸時代の食に関するトークも面白く、さらに、それに一ノ矢さんが質問(江戸時代から伝わるちゃんこ「ソップ炊き」について)。

 

ところで今朝は、 東京の浅草で、久々にホテルでの朝食の後、「四股1000」に参加。「四股1000」に自宅以外から参加するのは、夏至豊能町の畑から踏んで以来、1ヶ月半ぶり。本日、一ノ矢さんとのトーク浪曲地歌「初代高砂浦五郎」の世界初演に向けて、朝から相撲を自分に注入できたのもよかった。終演後、打楽器奏者の神田さんやJACSHAの樅山さん、サイトリでワークショップ常連だったサトさんなどのメンバーとの打ち上げでのリアルトークを楽しんで後、新幹線で京都に戻る。新幹線の自由席の乗車率30%ほど。空いているのは有難いが、こんなに空いていたら経営大変だろうなぁ、と心配にもなる。

 

ヘトヘトだが充実の東京遠征だった。9月6日の北斎バンドに向けて、作曲もあと一息。このエネルギーを大切に、明日一気に書こうと思う。