野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

カエルケチャ祭り

四股1000を踏んで後、大慌てで準備して、佐久間新さんのカエルケチャ祭りに出演。3月28日に行った無観客コンサートライブ配信が、最後に行った自宅以外でのパフォーマンス。それ以降の2ヶ月間、全て自宅からのテレワークだった。本日が3ヶ月ぶりに自宅以外からの配信。ZOOMでのワークショップ「カエルケチャ祭り」にゲスト出演。豊能町牧のコスダリ庵とその周辺がロケ地。制作の那木さん、小川さん、里村さんと車で豊能町牧へ移動。現地で、佐久間さん、音響の松尾さん、鶴林さんと合流。松尾さんは野外用のコンポストのような防水スピーカーを田んぼの畦道などに設置。ワクワクする音響空間。今回のライブ配信だけのためには不要なスピーカー。田んぼのカエルに、遠隔で別のカエルの声を聞かせるためのスピーカー

 

3回本番で、全部違う内容。

 

1回目は、夕暮れ時、19時半から。夕暮れの演奏。カエルや田園と挨拶する即興演奏を鍵盤ハーモニカでした。四股を踏むような、飛び跳ねるような。田んぼとカエルだからか、佐久間さんだからか、ケチャ祭りだからか、日本にいるのに、インドネシアにいるかのような錯覚に陥る。インドネシアからスボウォさんが参加していて、2003年に出会って以来、色々なところで共演してきたスボウォさんだが、2016年にインドネシアで共演して以来、4年ぶりに彼とこうして共演できるのが嬉しい。たんぽぽの家の山広さんの気迫溢れるカエル声と田んぼのカエルの共演が素晴らしい。終わりがけには、単独行動で田んぼのカエルと共演していると、里村さんとイウィンさんが携帯やランプで照らしてくれる。カエルと野村のセッションが高まっていくと、イウィンさんが自然に踊り出し、ノリノリで踊りまくってくれる。彼女の踊りは、空気や音に自然に反応して、勝手に体が動き始めていく。

 

2回目は23時から。田んぼのカエルの合唱も高まってくる。ウシガエルの声は、バス鍵ハモの最低音のFくらいの音域。カエルとバス鍵ハモのセッションが心地いい。インドネシアからウェリーが参加していて、カエルの声の真似が美しい。続いて、沖縄から鶴見幸代が参加して、彼女にはカエルはこう聞こえているのか、と驚愕するような高い声の奇妙な声があがり続ける。つるみん凄い。アメリカからアヤヤが参加していて、日本は深夜なのに、あっちは午前。東京から砂連尾さんがヘビダンス影絵で参加。砂連尾さんのリクエストで、里村さんがヘビとカエルと建築に関する朗読、ぼくは鍵ハモ。鍵ハモの音がカエルは好きなのか、どんどん盛り上がっていくカエルの合唱。砂連尾さんの自宅が瞬時に劇場に早変わりしてしまう。その後、タイのアナンがいることに気づき、ぼくのわがままで、アナンとスボウォさんと佐久間さんと即興したいと思った。アナンとスボウォさんの両方と一緒に共演したのは、2013年のマレーシア以来だが、アナンとスボウォさんと佐久間さんと一緒に共演となると、2007年のオーストリア(クレムス)以来になる。以下の動画が、アナン、スボウォ、佐久間、野村が前回一緒だった2007年のドキュメント映像。あれから13年、あの時に交流していたからこそ、今がある。こうして、オンラインで共演できているのも嬉しい。

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ここで日付が変わるので、続きは明日の日記に。