野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

量よりも質?

ZOOMで、だじゃ研(だじゃれ音楽研究会)のメンバー20名強と音を出した。ZOOMはたくさんの人でコミュニケートすることを前提にしているので、音にしても画質にしても、全て劣化してしまう。だから、音質は落ちるし、動画は見にくくなるし、音楽の一番の旨味が台無しになりかねない。これでは音楽やる意味ない、という気が滅入りそうになることもある。

 

でも、待てよ。劣化させる代わりに、たくさんの人がやりとりできる。独奏だったら、音質を劣化させる必要なくなる。一方通行だったら、そこまで情報を劣化させなくて済む。でも、たくさんで、やりとりをすることへの欲望がある。だったら、情報が劣化するんだったら、劣化しても大事なエッセンスが伝わるシンプルで力強い表現をすることが求められる。逆風の中でも、それでも伝わるものって何だろう?と模索してもいいではないか。

 

だから、音質も悪くなるし、タイムラグもあるZOOMで、音質が悪いからこそかえっていいこと。タイムラグがあるからこそ、かえっていいこと。それを探していきたい。その先に、「千住の1010人 in 2020年」を実現させてやる。劣悪な音質かもしれないけれども、何百人で何かをすることができるZOOMでのセッション。音楽家のほとんどが、そこは譲れないと思う音質、ぼくなんかが最もこだわる音質だけど、敢えて譲っちゃって、その代わりに、たくさんでのコミュニケーションの利点の方にこだわってみたい。独奏になれば、1箇所から高音質で配信できる状況で、敢えて1010人でオンライン上で合奏する仕組みに辿り着きたい。そこにこだわる音楽を妄想できるのが、野村誠だと思うから。

 

そもそも、質をとるか量をとるか、と質問されたら、質が大切とみんな言いそうだし、ぼくも通常はそう言うだろう。だから、敢えてひねくれて、量をとってみる。でも、なんだか直感的に、こっちをやるのが今ぼくにとって面白いんだ。

 

というわけで、本日は、「第4回だじゃれ音楽研究大会(オンライン)」に向けて、リハーサル+機材テスト。オンラインでのトークや演奏のイベントは、この2ヶ月に色々経験することができたが、明日のイベントは、タイやインドネシアからはゲストはあるし、市民グループの”だじゃれ音楽研究会”(だじゃ研)のメンバーが20名以上参加したりもするので、大掛かり。通常のイベントだったら、出番じゃない時は楽屋にいて、ステージの様子をモニターしていたりする。客席にいて、出番になったら舞台にあがるケースもある。しかし、オンラインイベントでは、楽屋にみんなで集まるというのとは、ちょっと勝手が違う。そうしたスタッフワークも、いろいろテストできた。明日は、初の試みがいろいろあるので、とにかくやってみることを目標に。

 

だじゃ研のメンバーの多くが、短期間にも関わらず、アイディア満載の動画を準備してくれた。明日の第2部では、これらの動画を矢継ぎ早に次々に紹介する。また、インドネシアのメメット からは、力作の動画が送られてきた。このイベントのために、撮影してくれた。演奏者は衣装とマスクの色を揃えていて、ばっちりコーディネート。かっこいい。第3部で紹介することになる。第4部での全員セッションを色々試せた。視聴者の皆さんも参加できるコーナーも作ろうと思う。

 

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今朝も四股を1000回踏み、夜は神田佳子の打楽器コンサート(相撲をテーマにした演奏)動画を鑑賞した。