野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

多様なバラバラが好みだし可能性も感じる

社会や政府などが、明らかに機能しなくなっている。それに見切りをつけた人が、少しずつ新しい生き方や表現に移行している。それぞれの人が、それぞれのアプローチで、小さな変革を起こしている。例えば、暴力を根絶するためにDV加害者へのカウンセリングをする人もいる。YouTuberとして、色々な発信をする人もいる。環境への負荷を極力減らす生活スタイルに変えた人もいる。会議を変えれば世界が変わると、会議ファシリテーションをする人もいる。大きな組織に属して組織の中から変えていこうとする人もいる。とにかく、多様な小さな変革が、バラバラに起こっている。

 

ぼくは、この多様性に可能性を感じる。2大政党制を目指して、マジョリティに対してマジョリティで立ち向かうような連帯もあるのかもしれないが、そうなると、どんどん小さな差異が削りさられていく。そして、大きな一つであれば、簡単に潰されるし壊される。でも、小さなムーブメントが無数にあって多様化していたら、潰したくても潰せない。そうした無数の小さなバラバラの変革が、お互いに連携したり連帯したりせずに、並存している状況が世界を変えていくように思う。連携したり連帯しなくていいから、お互いに相殺したりしないように並存していけたら、と思う。

 

ということで、ぼくは、自分の小さな小さな音楽活動で、小さな小さな変革を起こしていくことを、これからもやっていこうと思う。

 

鈴木潤さんと「音楽の根っこ」について語る企画、本日、第2回目。後半は、日本センチュリー交響楽団のヴァイオリニストの巖埼友美さんも加わってのトーク。潤さんと語ることは、かなり根っこの話が多くなる。印象に残ったことは、「社会包摂」という不思議な言葉。「包摂」と言われてもピンとこないが、「排除しない」と言われた方がピンと来る。さらに言えば、「無自覚に差別や排除をしていることに自覚的になること」。オーケストラは揃っているわけではなく(ある程度)バラバラでオーケストラになっていること。そのバラバラさが、音楽に有機的な力を与えることが多いから、音楽の魅力を引き出すために、このバラバラさやズレにギリギリまで関わろうとする。そういう音楽を作っていく上での根っこの話がいろいろできた。

 

動画はあとからでもこちらでみられます。冒頭と最後に演奏もしました。

 

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ちなみに、第1回はこちら。

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今日は、問題行動カレーを作ってみようと思って、自分の音楽に色々なものが混在しているようなカレーを作ってみようと思った。砂肝、ひじき、えのき、カボチャ、にんじん、たまねぎ、にんにくをオリーブオイルで炒めて、米ぬかと酒を入れて、キムチとナンプラーと味噌としょうゆと酢を入れて、カレー粉、ガラムマサラなどのスパイスと、豆板醤を入れて煮込んで、片栗粉を入れてみた。意外に美味しくなった。汗をたくさんかいて、お腹いっぱいになった。