野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

音楽に神は必要か、段ボールの鍵盤ハーモニカ

昨年11月に、東京大学で行われたシンポジウムの内容が、東京大学新聞社のウェブで公開になりました。こちらで読めます。

 

小田部胤久×角野隼斗×園田涼×野村誠 「音楽に神は必要か」小社主催シンポジウムレポート【前編】 | 東大新聞オンライン

 

 

2019年度も本日で終了。軽く振り返ると、

 

4月に香港での国際会議。i-dArtの主催した知的障害をめぐる会議で、これが本当にすごいうねりを生み出す凄いものだった。6月に、ノムラとジャレオとサクマの「問題行動ショー」を開催し、香港のi-dArtのメンバーの来日で、公演ができたことも印象深い。夏には、「あいちトリエンナーレ2019」が予想外の形で話題になり、文化庁や政治家が驚きの対応をした。9月にワークショップや公演で訪れたイギリスやイタリア。半年後に、こんな状況になるとも想像がつかなかった。2年近く通い続けた鳥取で、ゲキジョウ実験!!!「銀河鉄道の夜→」が行えて、住民参加やコラボレーションやポストワークショップの新たな可能性に出会えた。11月に引越をして、里村さんとの生活が始まった。11月末にイギリスからヒューやエマがやって来て、豊中や宮城でワークショップをした。彼の新作「認知症の世界」が印象深かった。12月のポーランドツアーで、ポーランドが好きになった。1月に入り、鈴木潤さんと「音楽の根っこ オーケストラと考えたワークショップハンドブック」の執筆。次々に新曲を作曲したが、新型コロナウイルスが広がり、いくつもの演奏会がキャンセルになり、初演されなくなった。そんな中、年度の最後に、「Beethoven 250  迷惑な反復コーキョー曲」が無観客コンサートとして配信という形で世界初演した。

 

やはり激動の一年だったと思う。一年前は数年前のようだ。

 

今日は、鍵盤ハーモニカのボディを段ボールでつくる、をやってみた。2年前にイギリスの デモントフォート大学でワークショップ&レコーディングをした時に、Neal Spowageが段ボールを使ってスピーカーを作っていて、面白かった。その後、片岡祐介さんも段ボールでスピーカーを作っていることを知り、段ボールのスピーカーが音がいいのならば、鍵盤ハーモニカのボディも段ボールで作ればいいのでは、というアイディアが浮かんだ。最近、里村さんとDIYで、家の防音や壁や窓などを改造したりしていた延長で、今日は、鍵盤ハーモニカDIYに取り組んだ。まず、鍵盤ハーモニカのボディを段ボールにすると、見た目は少し日比野克彦になっていき、かわいい。そして、実際に音もよかった。ちょっと、しばらく、段ボールと鍵盤ハーモニカの可能性を探ってみようと思う。