野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

介護と戦争と炎上の作曲家オリヴィエ・メシアン

メシアン・ゲーム」の作曲をしている。そして、譜面を書き始めた。20世紀のフランスの作曲家オリヴィエ・メシアンを題材にした観客参加型の作品を委嘱された。中川賢一さんというパワフルで繊細なピアニストのために作曲していた。そしたら、ロックンロールになった。

 

メシアンで思いつくキーワードは、介護と戦争と炎上だ。精神を病んだ妻を長年介護して疲弊した。戦争中に捕虜になり、収容所で作曲を許され演奏会をした。終戦直前に作曲/初演した合唱曲が不謹慎と賛否両論で大炎上した。メシアンのことを考えると、介護と戦争と炎上のことを考えることになる。

 

新曲は、2020年4月12日に愛知県芸術劇場世界初演なのだが、メシアンの大炎上した「3つの小典礼歌」の世界初演は、1945年4月21日だ。75周年だ。第2次世界大戦の終戦間近な中で初演され、賛否両論で大炎上した。評価は、イェスとノーの真っ二つに分かれた。不謹慎、冒涜していると言う声もあがり、素晴らしいと絶賛する声もあった。あの伝説の世界初演から、75周年に、「愛と知のメシアン‼️」などというコンサートをすることになった。戦争と炎上とイエスとノーに関する大合唱から75年。これを、愛知県芸術劇場でやるのか。「あいちトリエンナーレ2019」を最後までやりきった愛知県だ。

 

ということで、「メシアン・ゲーム」(第1稿)の譜面を書き終える。

 

自宅の2重窓リノベーション大工は、相変わらず進行中。