野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

「祇園精舎の宿題の」の作曲がおわる

昨日、ポーランドのラジオで放送されたプレイリストが公開された。野村作品も数多く放送されたし、「瓦の音楽」、「相撲聞芸術」、鍵盤ハーモニカ、ガムラン作品、ピアノ曲、「世界のしょうない音楽祭」での「青少年のためのバリバリ管弦楽入門」など。早く聴きたいが、朝から作曲を続ける。

 

1. P-blot (Richard Strauss) – 2001: A Space Odyssey (2002) [CD „P-ブロッ”, P-blot 2003]
2. Makoto Nomura – Organ Soup [CD „Nomurapiano”, Tontuu Record 2013]
3. Mikio Tojima – Winter Rondo (fragment), wyk. Satoko Inoue [CD „Japan Piano 1996”, Hat Hut Records 1997]
4. Yobidashi Choutaro – Yose Daiko [CD „Seichou Sumo Jinku”, Pony Canyon 2017]
5. Yobidashi Choutaro – Tsuru to kame [CD „Seichou Sumo Jinku”, Pony Canyon 2017]
6. Yobidashi Choutaro – Niban Daiko [CD „Seichou Sumo Jinku”, Pony Canyon 2017]
7. Sachiyo Tsurumi – Sumo Piano Taiko, wyk. Kumi Uchimoto [CD „24 Preludes from Japan”, Stradivarius 2018]
8. Makoto Nomura – The Young Person's Guide to Bali Bali Orchestra (fragment)
9. Makoto Nomura + Kumiko Yabu – Roof Gawalan [CD „Musik Genteng”, NPO 2015]
10. P-blot – 104 Keyboard-Harmonicas [CD „P-ブロッ”, P-blot 2003]
11. Pou Fou – Koufuku Na Mijikai Shougai (SHL) [CD „Bird Chase”, Escalier 1992]
12. Makoto Nomura – Away From Home With Eggs, wyk. Tomoko Mukaiyama [CD „Amsterdam x Tokyo”, BV Haast Records 2000]
13. Makoto Nomura – Jogetlah! Beethoven (fragment)
14. Michael Asmara – A Piece for Piano No. 10 (fragment), wyk. Steffen Schleiermacher [CD „Asia Piano Avantgarde. Indonesia”, MDG 2005]
15. Makoto Nomura + Kumiko Yabu – Carbonised Silver [CD „Musik Genteng”, NPO 2015]
16. Mikio Tojima – Winter Rondo, wyk. Satoko Inoue [CD „Japan Piano 1996”, Hat Hut Records 1997]
17. Group Ongaku – Object [CD „Music Of Group Ongaku”, Hear Sound Art Library 1996]
18. Group Ongaku – Automatism (fragment) [CD „Music Of Group Ongaku”, Hear Sound Art Library 1996]
19. Makoto Nomura – Ginga [CD „Nomurapiano”, Tontuu Record 2013]

 

作曲をしていると、3月1日の「世界のしょうない音楽祭」が中止になる見込みとの連絡が入る。新曲の作曲も、ほぼ完成で微修正なのだが、ワークショップで考えた「宿題の続きがしたい」という言葉が、本番を迎えることなく途中で終わってしまう「世界のしょうない音楽ワークショップ」のことに思えて、エンディングを「また次回」にした。そして、曲名は「祇園精舎の宿題の」となった。午後3時過ぎに譜面を完成し、メールで送ってのち、4時に家を出発。5時半すぎに大阪音大に到着。今回の曲の柱になっているのが、筑前琵琶の川村旭芳さんの「祇園精舎」なので、川村さんとピアノと琵琶でリハーサルをして、細かい確認をする。

 

6時半にワークショップが開始。正式に、本日が最終回であることが告げられる。その後、新曲のリハーサルを開始。本来ならば、今日から3回のワークショップを経て、3月1日のコンサートで上演するはずだったが、残念ながら、今日だけで終わってしまう。だから、せめて今日の最後に通して演奏したい。みんなで集中して、曲を少しずつ自分たちのものにして、10分以上ある大曲を、最後には通して演奏。琵琶の独奏とピアノ。箏とヴィオラ。三味線、琵琶、ヴァイオリン。バリガムランと打楽器とシタール。尺八、クラリネットビオラダガンバ。それぞれプロの奏者と初心者がいる。こんなオーケストラ、世界のどこにもない。

 

みなさんと今日でお別れは非常に残念。本当は、次回には、箏とヴィオラが混じり合うように合奏すること。三味線と琵琶とヴァイオリンが混じり合うこと。こうした洋楽器とアジアの楽器が、工夫してアンサンブルをつくっていく楽しみがあった。しかし、それは実現しなかった。祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。「平家物語」の語るように、世界は無常であり、予測不能だ。だから、「宿題のつづき」ができなかったのは無念だが、でも、だからこそ、「諸行無常」が体感できた。この経験を大切にして、これからも生きていこうと思う。

 

帰宅後は、ポーランド国営放送Polskie Radioの番組Nokturnの2時間番組を聴く。本当にマニアックな内容で、ぼくが言った話を全部紹介してくれて、それに関連する曲を数限りなくかけてくれた。クシシュトフに感謝