野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

九州遠征開始

本日より九州遠征。ジャワ舞踊家の佐久間新さんとともに。そして、都城市文化財団の徳永さんも同行。

 

福岡の社会福祉法人明日へ向かってのガムラングループGo-Onの練習を見学する。スンダやジャワやバリのガムランの楽器が混在しているような感じだろうか。インドネシアの楽器でありながら、そこに単一民族の楽器ではなく、複数の民族/スタイルの楽器を混ぜること。そのことは、結構、重要なのだ。

 

大きな紙のスクリーンに映像が投影されていて、影絵もできるし、そこに絵も描ける。だから、楽器をやっても、ダンスをしても、絵をかいてもいい。そうした場になっている。

 

見学だったのだが、佐久間さんも一緒に体を動かしたし、ぼくもピアノも弾いたし、ガムランも演奏した。ガムランの楽器は、バチに工夫がこらしてあり、思いっきり叩いてもうるさくないようになっている。あっという間の1時間だった。

 

続いて、九州大学のソーシャルアートラボを訪ねる。九州大学の先生であり、アートと社会包摂に関する研究者として知られるが、ピアニストでもあり、今から14年前には取手アートプロジェクト2006で一緒に「あーだ・こーだ・けーだ」を立ち上げた長津くんと再会。実は、「あーだ・こーだ・けーだ」という言葉は、2006年の夏に、九州大学の企画で野村と荒井良二さんが行ったワークショップで子どもが発した「あーだった、こーだった、けーだった」という言葉に由来する。また、ソーシャルアートラボの研究員の村谷さんとも再会。さいたまトリエンナーレ2016でボランティアコーディネーターしていた旅人くんも、ここで働いているようで再会。さらには、九州大学の先生であるミアさんとも再会。近況だったり、大学の先生をすることだったり、門限ズのことだったり、千住のことだったり、取手のことだったり、香港のことだったり、話し合って時間が経っていく。「千住の1010人」の動画を見ながら、副音声のように動画にコメントをしていくのが、意外に面白かった。

 

そして、都城まで移動。宮崎県まで来ると、オリオン座の位置が、京都よりも高い。ベテルギウスが暗いなぁ。この星も、寿命が近いのかな。生きているうちに、超新星爆発見られるのかもしれないな。

 

ホテルにチェックインして、少しだけ譜面に手を入れる。曲のタイトルは、また少し変化して、「Mr.迷惑のバッポン気質!  Beethoven 250」となった。抜本的な変革を志向する迷惑な作曲家の7番目のシンフォニーに。