野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

カゲヤマ気象台の3本舞台をみる

本日は、京都芸術センターで、舞台公演3本立てを見ることに。

カゲヤマ気象台という劇作家の戯曲「シティⅠ」、「シティⅡ」、「シティⅢ」の3作品で、「シティⅠ」に、ダンサーの古川友紀さんが出演するのと、「シティⅡ」の現代美術のhyslomが取り組む演劇も興味があったのと、「シティⅢ」にダンサーの佐久間新さんや増田美佳さんが出演するので、どれも見てみたかったので、頑張ってみることに。

カゲヤマ気象台という劇作家に関して、全く知らずに、観にきたのでした。3つとも全く違ったアプローチの演出作品だったのですが、しかし、同じ劇作家の戯曲を3本も続けて見るなんて、もちろん生まれて初めてで、結局、この作家の世界観というものに、3公演も付き合うという稀有な体験だったわけです。ということで、どっぷりカゲヤマ世界観に1日つかりました。この作家が、世界をどう見ているのか、未来をどう感じているのかの感覚が、ぼくの感覚とは違うので、カゲヤマワールドに3公演も付き合うわけです。共感という感じは抱けず、この作家が世界に感じている絶望とか困難さとか、いろいろな感覚を、こちらはあまりリアルに感じないので、これは、こうして、少し傍観する感じで見るものなのか、それとも、作者が前提としている同時代性の感覚があって、それをぼくが欠落しているのか、といったことを感じながら見る。ひょっとしたら、ぼくが海外に行ったり、いろいろな場に接しているために、前提となる現代の日本(の若者)に共通してある時代性とか感覚を、理解できないで、傍観しているのかもしれません。または、現代演劇のコンテクストを知らないとわからないことなのかもしれない。それとも、このくらいの距離感で見るものなのかもしれない。その辺の文脈が全くわからないで、見てたので、観た人と感想共有したいものです。

hyslomのパフォーマー達の存在自体が非常に濃厚で面白かったこと、突然、宮沢賢治の詩が出てきて、その言葉が強かったこと、「シティ3」の開演前のダンスで、佐久間さんの動きに目が釘付けになったこと、などなど、印象深いことはもちろんいろいろとあり、6月に砂連尾さんと佐久間さんとやる舞台のことを考える上で、ぼくが、どんな戯曲を書くのか、ということを、いろいろ考えるきっかけになりました。hyslomが初の演劇にチャレンジしているわけですし、ぼくも上演台本を書いてもいいのだろう、と思うので。

雪がずっと降っているのと、門限ズのスカイプ会議があるので、終演後は大慌てで帰宅。