野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

LOU HARRISON -Composing a World

朝、メメットを見送る。短いが充実した滞在でインドネシアに帰って行ったメメット。次に会うのは、2020年5月31日の「千住の1010人 in 2020年」。メメットの熱い思いを1010人の人々と分かち合えるように、オーガナイズしたい。

 

京都に戻る。帰り道に、Leta E. Miller/Frederic Lieberman著「LOU HARRISON -Composing a World」を読了。作曲家ルー・ハリソンに関する多面的な解説書。ルー・ハリソンは、ホモセクシャルをテーマにしたゲイの合唱団のための合唱曲など、ジェンダーに関わる作品も多数ある。楽器もつくるし、絵も描くし、詩もつくるし、独特の書体の字もかく。若い時に新聞にコンサート評を書いていて、文章も書く。即興の名手でダンスの音楽を即興でやる。ベジタリアンで、ストーブの上にずっと鍋があって、そこには何年も空になることのなく、日々野菜くずが投入されては消費されていく。ストコフスキーが楽譜通りでない演奏をしたのに腹を立てたが、思い直して録音を聴いて、ストコフスキーの意図を理解して、受け入れて、自分の糧にしてしまう人。ぼくにとって、最も重要な作曲家の一人だ。

 

帰宅後、ヴィブラフォンのための「相撲ノオト」の作曲を再開。大相撲の横綱土俵入りの動きをとことん研究し、作曲開始。しかし、作曲しているうちに、別のコンサートのために頼まれていた「相撲聞序曲」のアレンジがしたくなって、こちらにも着手。これはアレンジなので、編曲はほぼ完了。

 

こちらの本、CD付で、貴重なルー・ハリソンの即興演奏の音源も入っているので、おすすめ。

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